ここではアクアリウム全般でよく使用される外部式フィルターの特長やおすすめの製品と選び方を紹介していきます。外部式フィルターは数あるフィルター方式の中でも最も汎用的に使用できるフィルタータイプです。
その他、ろ過やフィルターに関して知りたい方は以下から御覧ください。
この記事の目次
種類としては以下の大きく7種類程度あります。
上記のどれを選べばいいかわからない、という方は以下に記事をまとめていますので、そちらから御覧ください
『フィルター全種類一覧!フィルター・ろ過装置の選び方と各特徴。』
その他、水槽用ろ過フィルターの情報を知りたい方は以下から御覧ください。
ここでは外部式フィルターについて詳しく解説していきたいと思います。
詳しくは後述しますが、水草を育成したいと思うならこの「外部式フィルター」をおすすめします。
水槽から離して設置するタイプのフィルターです。
写真を見ていただければわかるのですが、ろ材を入れる容器と、その上部に水を循環させるためのモーターがついているだけです。
外部式フィルターの特徴としては濾過能力が高く、強力な生物濾過が実現可能で、耐久性、メンテナンス性が高いです。
フィルターの中で最も空気に触れない構造のため、二酸化炭素を逃がしにくく、最も水草育成向きと言えます。
水槽台の中に収納すれば水槽周りがシンプルですっきりしますので水槽の見栄えもよくなります。他のフィルターだと、水槽の上に取り付けなければいけなかったりしますので、見栄えが当然悪くなりますし、照明などの設置スペースが限られたりします。
また、メーカーにもよりますが作動音があまりしないことも特徴です。
外部式フィルターはホースなどの配管や吸水口、排出口など含め、水が空気と触れ合わない構造になっています。水草を育成するならば、CO2添加がほぼ必須となりますが、外部式フィルターならそのCO2を逃がすことが少ないため、水草育成に最適です。レイアウトコンテストに出すような水景を作っている人達も、ほぼこの外部式フィルターをメインにしています。
「水草育成」をひとつの目的にする場合は、この外部式フィルター一択と言っていいほどです。
外部式フィルターの体積の8割ほどは「ろ材」というバクテリアの住処です。生物ろ過能力はバクテリアの量が多いほど高いため、他のフィルターよりも多くのろ材を導入できる外部式フィルターは、他のフィルターと比べても、生物ろ過能力に優れています。そのため、水が汚れやすい環境(生体の量がおおい、金魚のように水を汚しやすい生体を飼育しているなど)でも十分に活躍してくれます。
ホースなどの配管や本体など、あまり目に見える場所に置きたくない場合も、この外部式フィルターなら水槽台の中などの「目につかない場所」に隠せるため、水槽周りがすっきりして見えます。鑑賞目的が強いアクアリウムにおいて、これはかなりのメリットです。
他のフィルターでは、水面をパシャパシャ水が水面を叩く音がしたりするものもありますが、この外部式フィルターは動作音がほとんどしない構造になっています(メーカーによりますが)。東京一人暮らしワンルーム賃貸に住んでいる僕のような人間は、ベッドと水槽が同じ部屋にあるのですが、外部式フィルターを作動させていても問題なく快眠できるレベルです(人によるかも)。とはいえ、耳をすませば動作音は聞こえますし、たまにちょろちょろと空気がホースを通る音も聞こえてきます。
アクアリウムショップにいけば、実際に稼働しているフィルターを見ることができますので、気になる人は一度実物をみたほうがいいかもしれません。
製品によっては10年以上使用している人もいるくらい、外部式フィルターは耐久性に優れています。
外部式フィルター自体、ろ材を入れる容器の上に水を汲み上げるモーターが付いているだけのシンプル構造ですので、基本的には耐久年数が高くなります。
また故障した場合も、パーツごとに販売されていますので、それさえ手に入れれば大抵の製品では自分で修理可能です。
実際にQUBE運営も外部式フィルターがうるさくなってきたので分解して交換していました。いかがその時のレポートですので興味があれば御覧ください。
『【分解写真付き】エーハイム2213がうるさかったので分解してインペラーとスピンドルを交換してみた』
60cm用の外部式フィルターだと、大きさはだいたい40cm(高さ) x 25cm(縦) x 25cm(横)程度の大きさになります(製品によります)。そのため、それを設置するスペースが必要になります。60cm水槽ほどの大きさの水槽だと、大抵「水槽台」も一緒に購入しているかとおもいますので、通常であればそこに設置するためのスペースがあるはずです。もし、水槽台のようなものがなかったりするのであれば、水槽の横など、結局目に見える場所に置くしかなくなりまので注意が必要です。
60cm水槽に使用されるフィルターの中で最も代表的な外部式フィルターはおそらく「エーハイム2213」というエーハイム社が10年以上前から発売している製品だと思うのですが、この製品で大体6000円〜7000円程度します。アクアリウムの代表的なメーカー「ADA」の60cm対応外部式フィルターである「スーパージェットフィルターES-300」となると、1台28000円程度です。他のろ過方式に比べて比較的高くついてしまうのも、このフィルターの特徴です。
水槽に取り付けるだけの「外掛けフィルター」や水の中に落とすだけの「投げ込みフィルター」と比べると、設置やメンテナンスに手間がかかってしまいます。
実際には「ろ材を洗って入れる」「ホースなどの配管をつなぐ」「呼び水(ホースを口で吸って水をフィルターまで呼ぶ作業)」(※自動呼び水機能付きのフィルターもあります)という作業が発生します。フィルター自体の掃除は数ヶ月に一度、程度ですが、本体自体も大きいので、掃除の際にはちょっとおっくうになりがちです。
とはいえ、一度設置してしまえば数ヶ月掃除なしで使用できるものですので最初だけはちょっと頑張る必要があるかもしれません。
具体的には以下の動画を参考にしてください。
エーハイム2213で大体6000円〜7000円程度、ADAジェットフィルターで1台28000円程度と開きがあります。もちろん金額が高ければその分の付加価値がついていたりします。
本体の形や大きさ、デザインは商品によって異なります。設置するスペースに入るかどうかをまず確認して下さい。
例えばADAのジェットフィルターであれば、円柱型で見た目はシルバーと、水槽台の中においておくのがもったいないようなスタイリッシュさを持ちます。また、メーカーによってはより小型化された商品も登場していますので、置くスペースが限られている場合などは、より小さいサイズを選んだほうがいいかもしれません。
水が流れる量です。/h(1時間あたり)の表記が多いです。流量が多いほど、フィルターを時間あたりに流れる水が増え、生物濾過がより行われます。ただし多ければ多いほど流れも強くなりますので、水槽サイズに見合わない流量のものを選ぶと、流れが強すぎ、水草の育成がうまくいかなかったり、流れが当たる場所に苔が発生しやすいので注意してください。
バクテリア、物理フィルターを入れる容量のことです。ここが多いほど、多くのろ材をつめこめますので、バクテリアによる生物ろ過がその分期待できます。それぞれの製品に●●cm〜●●cm水槽用など記載がありますので、水槽サイズにあったフィルターを購入してください。
フィルターがが水を汲み上げられる高さのことです。外部式フィルターは水槽の下に設置しますので、このフィルターの位置と水槽の位置がこの範囲内に収まっていないと水を汲み上げることができません。
数年前から発売されて、現在も販売されている商品であれば、故障も少なく、製品自体も進化してますので信頼性が高いです。
ただ、どのフィルターにしても、故障した場合、バクテリアに致命傷を与えるので念のためサブのフィルターを常備するのをおすすめします。
外部式フィルター自体、メンテナンスは数ヶ月に一度ですし、商品ごとの差はあまり出ていないかと思います。
ただ、「ダブルタップ」というホースとホースを繋ぐ機材が最初からついているかいないか、など、初期装備に違いがあったりします。ダブルタップが水を止める機能を持っていますので、外部式フィルターのメンテナンス時に、そこで水をせき止めてホースとホースを切り離すことができ、作業が楽になります。まぁあとで買えばいいのですが最初からついていたほうがいいですね。
外部式フィルターは設置の際に、水槽の水をフィルター本体まで引っ張ってくる必要がありますが、それを自動で電源入れただけでやってくれる機能です。この機能がついていない場合、自分でホースを口で吸って水槽内からフィルターへ水を引っ張るので肺活量が試されます。
結構重要です。構造がシンプルですので、パーツさえあれば素人でも直せることも多いです。そのためにはパーツが入手できることが必須なのですが、有名製品のものであれば、通販やショップで売っています。
ちなみにエーハイム2213を修理したことがあるのですが、その時にはアクアフォレストにすべてのパーツが売っていました。一日フィルターが止まるとバクテリアに大ダメージが出てしまいますので、すぐに治したい場合は、パーツ自体が流通しているかどうかが重要です。その意味でもエーハイムのフィルターは便利ですね。
寝室などに置く場合は特に重要です。アクアリウムショップにいけば、実際に稼働しているフィルターを見ることができますので、気になる人は一度実物をみたほうがいいかもしれません。
以前書いた記事、『【総まとめ】アクアリウムに必要な道具と各費用、ランニングコスト一覧』からの抜粋です。エーハイム2213を例に電気代を算出しています。
以下が有名な外部式フィルターのシリーズになります。以下に上げる商品であれば、メーカーに問い合わせればパーツの入手はできるかと思います。
※各シリーズ対応水槽サイズの商品ラインナップがありますが、ここでは60cm水槽向けを記載します。
エーハイム クラシックフィルター2213 ろ材付セット
エーハイム
※
参考価格:¥ 16,222※
amazon : ¥ 9,697※charm : ※
流量:60Hz:500リットル/h 50Hz:440リットル/h
ろ過容量:約3リットル
揚程:50Hz:1.0m 60Hz:1.5m
本体サイズ:180mm(直径)×354mm(高さ)
エーハイム クラシックシリーズは、シンプルで堅牢な構造から根強い人気と定評がある外部式フィルターの定番機種です。
エーハイムフィルター2213は水がフィルターケースの下から上へと1方向に流れる1Way方式を採用、フィルターケース内の横断面全体が有効ろ過面となり、エーハイムならではの完全なろ過を行います。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
おそらく使用している人が一番多い商品なのでは?ってくらい有名です。当然、信頼性も高く、その割に安価に購入可能です。
もっとくわしくおすすめの理由を知りたい方は別の記事でまとめてますので以下を見てください。
また、パーツ類がショップで販売されているので、もし故障してもすぐにパーツを入手可能です。
フィルターの大定番!アクアリウム初心者がエーハイム2213を選ぶべき5つの理由!
テトラ (Tetra) バリューEXフィルター VX-75
テトラ (Tetra)
※
参考価格:¥ 15,206※
amazon : ¥ 6,650※charm : ¥ 6,870※
最適なろ過効果を上げるために標準仕様で5種類のろ材をセットしました。さまざまな種類のろ材を使用することで、ろ過効果を最大限に引き出し、長期的な水の安定を実現させています。また、ホースユニットがはずせることによって、イージーメンテナンスを実現しています。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
エーハイム2213に比べ、小型な商品です。流量も多く、濾過容量も豊富です。メーカーはアクアリウムの老舗テトラ社ですので、信頼性も高いです。記事作成時点ではチャームのフィルターランキングでエーハイム2213を抜き1位です。
コトブキ パワーボックス SV4500-B
コトブキ
※
参考価格:¥ 11,880※
amazon : ¥ 5,610※charm : ¥ 6,280※
流量:50Hz 400リットル/h 60Hz 480リットル/h
ろ過容量:約3.5リットル
揚程:50Hz 80cm 60Hz 100cm
本体サイズ:幅160mm×奥行き230mm×高さ390mm
パワーボックスがさらに進化!ホワイトとブラックのカラーバリエーションであなたのアクアシーンに合わせて選んでいただけます
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
こちらは日本メーカー、コトブキ社製の外部式フィルターです。フィルターには珍しくカラーバリエーションがあります。
他のフィルターが丸い形に対し、こちらは立方体となっていますので、他の違いを出したい方はぜひ。
ジェックス メガパワー6090
ジェックス
※
参考価格:¥ 14,580※
amazon : ¥ 5,929※charm : ¥ 5,989※
流量:50Hz 360リットル/h 60Hz 420リットル/h
ろ過容量:約5リットル
揚程:約1.5m
本体サイズ:20×33cm
新構造でメンテナンスが簡単!タンクからモーターを分離したセパレート設計を採用。性能と品質を追求した新コンセプト外部式フィルター!
飼育水を一気にろ過槽底部へ流入し、そこからろ過槽全面を使い水を押し上げ、ろ過槽をフルにろ過機能として活用できるフルボトムアップろ過システムにより高いろ過能力を実現。完全フルセットのため、すぐにセットできます。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
アクアリウム製品を幅広く手がけるGEX社製のフィルターです。
こちらもADA同様呼び水は自動で行われます。
こちらは以下の記事にまとめています。
外部式フィルターとろ材、ホースの掃除方法と頻度・タイミング
こちらは以下の記事にまとめています。
水槽フィルターの濾過槽内に入れるおすすめのろ材・ろ材の順番
基本的にはエーハイム2213買っておけば数年はもつかなーと思ってます。
まぁADAで揃えたい気持ちはあるんですがお金がね。。。
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