水草が綺麗に育つためには栄養素が必要です。その栄養素をあとから追加することを「追肥」と言いますが、追肥と一口に言っても様々な種類、方法があります。
ここではその追肥についての説明と、評価の高い商品を記載していこうかと思います。

追肥の種類

以下の2種類があります。

• 固形肥料
• 液体肥料

固形肥料

その名の通り、固形タイプの肥料です。ソイルや砂利などの底床に埋めて使うことを目的としています。
底床に砂利を選択した場合は、栄養素が含まれておりませんので、固形肥料を砂利にうめてから水草を植えます。

また、吸着系ソイルを使用し、かつ高栄養を求める水草を育てる場合にも固形肥料を埋めます。（栄養系ソイルの場合は不要です）
また、栄養系ソイルでも、含まれる栄養素は徐々に薄くなっていきますので、そういった場合に固形肥料を追加することで、水草の育成を長期に渡り継続可能です。
※吸着系、栄養系ソイルについてはこちらの記事を御覧ください。
→『水草を育てるなら底床はソイル一択！ソイルの特徴と代表的な製品の評価。』

固形肥料は栄養が不足している水草の根本だけに埋めるなど、局所的な使用が可能です。
主に根からの吸収を目的としていますが、水中にも溶け出します。
ソイルや砂利など、底床に埋めて使うことを想定していますので、底床からむき出しになっている場合、水中に大量の栄養素が流れてしまい、コケ発生の原因となりますので必ず底床内に入れてください。

液体肥料

液体タイプの肥料です。これは水にそのまま添加します。
固形タイプは局所的な栄養追加ですが、こちらは全体的に栄養を添加することになります。
水草の場合、根からだけでなく葉からも養分を吸収します。その場合は水中の栄養素を取り込みますので水自体に栄養が含まれている必要があります。ソイルからも栄養素は水中に溶け出しますが、それだけでは量が足りない場合や、水中からの栄養吸収をメインに成長する水草に対して有効な肥料となります。

追肥は行うべきか

一概にこれを何本植えたら追肥が必要、など細かく定義づけることは難しく、水槽内の状態をみつつ判断するしかありません。
以下の様な条件により変動します。

• 水草の量
• 水草の種類（高い栄養を求める水草など）
• 熱帯魚、シュリンプ（エビ）の量
• ソイルの種類（栄養系か吸着系か）
• ソイルの使用年月
• 照明の強さ
• 水中のCO2濃度

上記の条件によっては、ソイルだけの栄養で足りる場合もあるかと思います。
むしろ追肥なしでソイルだけで十分綺麗に育てている水槽も数多く存在します。

肥料の過剰投与は水草にとって悪影響ですので、特に立ち上げ当初の追肥は必要ありません。
ただ、数ヶ月たてば、ソイルの栄養素も薄くなっていきますのでその際には状態をみて、追肥する肥料を選んで投与します。

リービッヒの最小律

リービッヒは、植物は窒素・リン酸・カリウムの3要素が必須であるとし、生長の度合いは3要素の中でもっともあたえられる量の少ない養分によってのみ影響され、その他2要素がいくら多くても生長への影響はないと主張した。後に養分以外の水・日光・大気などの条件が追加された。form wikipedia

つまりは、バランスが大切ですよね。という理論です。
窒素、リン、カリウムのどれかが0なら、他の栄養素も一切植物には使われないよってことですので、バランスよく配合してください。

追肥する必要がある栄養素

追肥を検討するのは多くとも以下の5つです。
水槽内で自然発生するものは余程のことがない限りはコケ発生の原因になるので、追肥は行いません。
自然発生しないものや、量が不足しているものを追肥していくというのがアクアリウムで一般的です。

• 窒素
• リン
• カリウム（K）
• 鉄
• 微量元素（マグネシウム、、硫黄、カルシウム等）

追肥を検討する栄養素（栄養系ソイルの場合）

以下は個人的な考え方ですので、これじゃなきゃいけない！というものではありません。

栄養素	〜1ヶ月	〜6ヶ月	〜1年
窒素	不要	不要	不要
リン	不要	不要	不要
カリウム	不要	追肥を検討	追肥必須
鉄	不要	追肥を検討	追肥必須
その他微量元素	不要	追肥を検討	追肥必須

栄養系ソイルの場合はむしろ立ち上げ当初は栄養過多にある傾向がつよいため、水換えを積極的に行い、無駄な栄養素を水槽外へ排出します。そのため追肥等は不要、というのが個人的な考えです。

6ヶ月目まではソイルの栄養が持続していることが多いため、水草の状態によって追肥を検討してください。
それ以降はソイルの栄養がなくなっているはずですので、追肥は必須になると思われます。

窒素

窒素は水槽内に過剰に存在する傾向が強い

窒素は通常、水槽内で自然に生産されますので追肥の必要はありません。
フンや餌、枯れ葉から、発生するアンモニアを原料に、バクテリアが分解した結果生産される「硝酸」も窒素分ですし、むしろ過剰状態になることが多いため、水換えや吸着剤によって取り除くくらいです。

ただ、入っている生体が少なく、フンや餌が少ない場合や、（あまりないですが）あまりにも高栄養を欲する水草を大量に入れている場合などどうしても足りないと判断した時には追肥を検討します。

リン

リンはそこまでの量を必要としない

リンも窒素同様、水槽内で自然に生産されます。餌には元からリンが含まれていますので、食べ残しなどでリンは発生します。
また、3大栄養素とは言っていますが、窒素やカリウムほどの量を必要としません。元々の要求量が少なく、水槽内のリンで十分ですので、リンも追肥をしないのが一般的です。

カリウム

カリウムは水槽内で自然発生しないため追肥する必要あり

カリウムは追肥を行ってもいい栄養素です。
カリウムは水草のトリミングなどを行った際に、水草から水中に流出する程度で、自然発生はほぼありません。また、水換えにより失われやすく、量が不足する可能性が高いので、規定量の追肥を行ってください。
カリウム不足は光合成の促進不良を引き起こしますので、葉の色が薄くなったり、成長が止まります。

鉄

赤系の色みをもつ水草を育てるなら必須

鉄分は通常の水草でも必要とする元素ですが、特に赤系の色みをもつ水草育成には必須です。
あの赤色は鉄の色です。
水道水にも鉄分は含まれていますが、ほとんどが「三価鉄」で水草が必要とするのは「二価鉄」ですので不足しがちになります。
赤色の発色が弱まってきた場合や、葉色が悪くなってきた場合などは追加を行ってください。

微量元素

その他、それほど量は必要としませんが、水草成長に必須な元素があります。
詳しくは以下の記事にまとめていますので、興味がある方はこちらを御覧ください。
→『水草が育つときに必要となる栄養素（窒素、リン、カリウム、その他微量元素）の基礎知識』
販売されている総合的な液肥（ひとつの栄養素に特化している液肥以外）であれば「微量元素」も含まれているはずです。通常「微量元素」という表記があるはずですので、パッケージを確認して下さい。
「鉄分」もアクアリウムでは微量元素に含まれることが多いため、パッケージを確認して下さい。

こちらも水槽内で自然発生しないものもあるため、追肥が必要になってきます。

液肥を追加するタイミング

水草が栄養を必要とするのは活動を行う点灯時ですので、照明が点灯している時の追肥が理想です。
が、そこまで神経質にならなくてもOKです。

僕は16時から点灯するようタイマーをかけてますが、追肥は朝会社行く前（朝9時頃）に追肥しています。

代表的な商品

最初は総合的に含まれているものを購入すればOKですが、後々は栄養素ごとに別々になっているほうが便利です。
水草の症状、状態をみて、カリウムが足りないかな？とか、鉄分だけ多めにしたいな！って時が必ず出てきます。
そうなった時に、栄養素がまんべんなく含まれている商品だと、どうしても量の調整ができず、鉄分だけ多く入れたいのに、入れると他の栄養も一緒に入ってこけっちゃう。みたいなことになります。

ただ、、、アクアリウムの肥料は何がどれくらい入っているのか、という記載がない場合もあります。
せめてカリウム、窒素、リンがはいっているかどうかくらいは書いてほしいものですが。。。

総合的な追肥（固形肥料）

画像クリックで製品詳細ページへ遷移します。

マルチボトム

アイアンボトム

イニシャルスティック

水草一番　栄養ブロック

上記商品はどれも評価が高いです。
ADA製品はいわずもがな、イニシャルスティックも、吸着系ソイルとセットで使用することが多く、実際にWEB上でも育成報告は多々見られます。

総合的な追肥（液体肥料）

グリーンブライティ STEP1

グリーンブライティ STEP2

グリーンブライティ STEP3

Ｐｌａｎｔｓ　Ｇｒｅｅｎ　プランツグリーン

テトラ　フローラプライド

セラ　フロレナ

元気水　水草用

カリウム液肥

ブライティK

トロフィカル　Ｋ＋

鉄分液肥

みずくさふさふさ　リキッドアイアン

Ｆｅ　Ｅｎｅｒｇｙ（エフイーエナジー）　アクア　濃縮タイプ

メネデール　水草の活力素　５００ｍＬ

個人的におすすめ商品

僕が使用しているのは

• ADA グリーンブライティSTEP1
• ADA ブライティK
• アクアフォレスト みずくさふさふさリキッドアイアン

です。これを規定量入れて、水草の様子を見て量を増減させてる感じです。