水草を育てるなら、必ず必要になるのが水槽の底に底床(ていしょう)です。
このブログに辿り着いた方はほとんどが水草を育ててる(育てたいと思ってる)方でしょうから、
おそらくほとんどの方がソイルを選択することになるかと思います。
ただ、ソイルと一口に言っても、様々な特徴があり、かなり迷うと思います。
実際に使ってみないと感覚がわからなかったりしますしね。
この記事ではそんなわかりにくさ満載のソイルを出来る限りわかりやすく説明していきます。
この記事の目次
底床には以下おおまかに4種類あります。
ここではソイルの説明をしますので、他の底床を見る場合は以下のリンクから別の記事を参照してください。
直訳すると土ですが、アクアリウムで使われるソイルはそこらへんの土とは違い、
上記画像のように丸い粒上の塊に焼き固められています。
丸い粒上になっているのは
というメリットを持ち、水草アクアリウムにとって最適な形状と言えるかと思います。
冒頭でもいいましたが、
水草を育成するならソイル一択といってもいいです。
他の底床は水草育成ができないとはいえないまでも、ソイルほど簡単に育成はできません。
ソイルには水草育成に関して、あらゆる面で他の底床にまさるメリットがありますので、
水草を育てたいならソイルを選んでください。
ADAのコンテストで優秀な成績をおさめるレイアウトをよく見ていただければわかるのですが、
すべての作品はソイルによって水草が育成されています。
もし、砂のような明るい色を配置したい場合は、その部分だけ砂(化粧砂)を起き、
水草を植える部分にはソイルを敷くという方法を使います。
「ソイルのメリット」で説明しましたが、ソイルにはいろいろな能力があります。
商品によっては、この能力が強いけど、この能力が弱い。みたいな特徴がでてきます。
おおまかに分類すると、栄養が豊富で水草育成能力が高い「栄養系ソイル」か
有害物質の吸着能力の高い「吸着系ソイル」に分けられます。
注意して欲しいのは、どちらか一方の能力しか無いソイルというわけではなく、
これはあくまで、どちらの能力に特化しているか、という分類です。
詳しくはいつもの通り参考サイト様を掲載しておきますのでそちらで確認して下さい。
ここではわかりやすく(荒っぽく?)説明します。
もともと、どのようなソイルでも「吸着する能力」は備わっています。
吸着する物質はいろいろなのですが、大雑把に以下の2種類とします。
もちろん無限に吸着するわけではなく、どこかで限界(お腹いっぱい状態)が来ます。※この限界値は製品によります
栄養素がいっぱいとりこまれた状態のソイルが「栄養系ソイル」と呼ばれます。
ただ、「栄養系ソイル」は栄養分ですでにお腹いっぱいの状態なので、
アンモニアや亜硝酸を吸着する能力が低くなっているということです。
ただし、これは時間とともに解消され、栄養系であっても有害物質の吸着を行うようになりますのでご安心を。
反対に、「吸着系ソイル」はお腹ペコペコ状態なので、アンモニアや亜硝酸などの有害物質を取り込みやすい状態です。
※ただしお腹いっぱいになると、栄養素を多く取り込むために、いらない有害物質を吐き出すという現象が起こりブレイるため、
アンモニア、亜硝酸濃度が上昇することがあります。
先述の通り、吸着系ソイルとは水中のアンモニア、亜硝酸などの有害物質を吸着する能力が強いソイルのことです。
これは、水質の変化を嫌うエビ(シュリンプ)水槽に最適です。
強い吸着力により不純物を吸着し、立ち上げ直後から水がピカピカになりやすいというメリットもあります。
また、栄養素が控えめな分、苔の発生が抑えられます。
栄養素が少ないので水草育成は、「栄養系ソイル」に軍配があがりますが、
吸着系でも十分水草育成が可能なものもあります。
以下の記事で、底面式フィルターの仕組みや特徴、おすすめな製品、低床、底面式フィルターの設置方法まで詳しく解説しています。
写真で解説!底面式フィルターの特徴と仕組み・使い方や掃除方法・おすすめな製品・底床まで徹底解説!
栄養系ソイルとは有機物の含有量が多く、栄養を多量に含んでいるソイルのことです。
こちらは完全に水草アクアリウム向きで、水草の成長を促す効果が非常に高いです。
ただし栄養が豊富なため、苔の発生にも悩まされます。
また、立ち上げ時に、有機物が豊富なためバクテリアが速攻で繁殖し、濁ってしまうというデメリットも有ります。
これは正しく対応すれば問題なく解消されますので、詳しくはこちらの記事でまとめています。
誰もが通る道!水槽立ち上げ時に発生する水の白濁りの原因とその対処法。
一般的なソイルです。粒が大きめですが、その分通水性が高いです。また、価格はこちらのほうが安いです。
粒が細かいタイプです。商品によってはスーパーパウダーという表記の場合もありますが、同じ「パウダー」でも商品によって粒の大きさが違いますので注意が必要です。
前景草などの抜けやすい水草を植える際にこのパウダータイプを利用すると、植えやすく抜けにくいです。ノーマルタイプに比べ見栄えがいいのですが、価格はこちらのほうが高いです。そのため、ノーマルタイプをまず入れて、その上に2,3cm程度このパウダータイプで覆うと、水草が植えやすく、かつコストも安上がりですみます。
画像クリックで商品詳細ページヘ遷移します。詳しくはそちらをご覧ください。
アマゾニアは、ネイチャーアクアリウムに最適な底床素材です。水草が繁茂し、魚やエビ類が健康に暮らす自然の環境が手軽に再現できます。 水草の根の生長を促す有機酸と栄養成分を豊富に含んでおり…
僕の一押しはこちらです。
こちらは栄養系ソイルの代表というかソイルの代表です。
ソイルを普及させたアマゾニア。ソイルと聞けば、まずアマゾニアが思い浮かぶ人も多いでしょうね。
それくらい有名で、それくらい多くの人が使用しています。
アマゾニアの評価を探してみると、白濁がおきるという記述をよく見かけます。
これはアマゾニアに限らず、栄養系ソイルでの立ち上げるとよく起こることです。
詳しくはこのページで既に説明済みですので、こちらから理由を御覧ください。
ぼくは過去3回アマゾニアノーマル+表面にパウダーで立ち上げてますが、
白濁りが起きた場合、以下の方法で、1週間程度で落ち着き、きれいな水になっています。
ジュン (JUN) プラチナソイル ブラックタイプ パウダー 8リットル
ジュン (JUN)
参考価格:¥ 2,808※
amazon : ¥ 1,684※charm : ¥ 1,574※
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
吸着系ソイルの代表です。1Lの袋から用意されており、自分の必要な量に合わせて購入可能です。
育成報告も多くwebに上がっていて、安価で、苔の発生も少ないため初心者の方は扱いやすいソイルです。
ただ、実際に使用された方の記事を見ていると、ph値が下がってしまうことがあるようです。
phの数値はチェックしたほうがいいかもですね。
参考①:一年間使用したプラチナソイルを評価する
参考②:ビーシュリンプ飼育とソイル使用感
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
吸着系ソイルの代表コントロソイルです。今回紹介する中では最も安いです。
このソイル、安い上に、評価も高く、吸着系ソイルの中では肥料分も多いようで、水草の育成報告も数多く見られます。
コスパが最強なソイルですので、
お金をあまりかけたくない人や、大型水槽でソイルが大量に必要な方に向いているかと思います。
参考①:コントロソイル評価。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
チャーム、アマゾンともに評価がとても高い商品です。水質浄化作用が高く、メーカー公式の製品紹介でも「底床ろ材」という表記となっています。そのためソイルなどの底床をろ材として活用する底面ろ過フィルターとの相性がよく、底面濾過フィルターを使用するなら特におすすめな製品です。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
名前がすごいですね。こちらも一応吸着系に分類されるようですが、名前の通り肥料分は多目のようです。
ヨウリン酸、硫酸カリが含まれていることを押しています。
ヨウリン酸、硫酸カリについて、wikipediaを要約すると
「ヨウリン酸」はリン酸肥料の一種で、土や水に栄養が漏れにくい上、水草には吸収されるので肥料としてすばらしいが
土壌をアルカリ性に傾ける性質があるので注意。
「硫酸カリ」はカリウム肥料の一種で、水草3大主要栄養素(「リン」「窒素」「カリウム」)のひとつ。
なので栄養豊富ですが、ph下げる効果は多少薄まるようです。
こちらも水草育成報告は多く見られますので、
初心者さんが使いやすいソイルかと思います。
参考:楽天レビュー
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
プラチナソイルと同一メーカーJUNから発売されているソイルです。プラチナソイルよりも前から販売されており、
当時から評判が良かったため、そのまま販売されています。当時使用していた人が、そのままこれを使い続けているなど、長年使われておりますので、信頼性も高いソイルです。
アクアシステム プロジェクトソイル プレミアム 8KG
アクアシステム
参考価格:¥ 6,264※
amazon : ¥ 2,984※charm : ¥ 2,789※
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
エビ(シュリンプ)飼育に定評のあるソイルです。水草の育成も可能なようですが、栄養価はあまり高くないようですので、使用する場合は追肥を検討した方がいいかもしれません。
ただ、プロジェクトソイルには「水草用」というものも売られていますので、より高い栄養価を求める場合はそちらを購入したほうがよさそうです。
参考:実験
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
チャームがアクアシステム(プロジェクトソイルの開発元)と一緒につくったソイルです。
よくお世話になっているチャームさんのサイトに行けば複数セットで販売されていてかなりお買い得です。
以上が代表的なソイルの製品になります。
項目 | ソイル | 砂・砂利 | 大磯砂 | セラミック | 溶岩石 |
---|---|---|---|---|---|
肥料・栄養分 | 含まれる | 含まない | 含まない | 含まない | 含まない |
多孔質か | 多孔質 | 多孔質ではない | 多孔質ではない | 多孔質 | 多孔質 |
使用可能期間 | 形崩れがおきるまで(1年〜2年) | 半永久 | 半永久 | 半永久 | 半永久 |
水質維持機能 | 弱酸性に傾ける | - | アルカリに傾ける場合がある | 製品による | - |
水草育成難易度 | 容易 | 非常に難しい | 非常に難しい | 難しい | 難しい |
ソイルは一度入れてしまうとリセットするまでは取り替えることができませんので慎重に選びたいですね。
ただ、どれかひとつしか使ってはいけないわけではなく、2〜3種類をブレンドして使用もできます。
オリジナルのソイルブレンドを見つけるのも楽しいかもしれませんね!
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