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セルフクリーニングシステムが搭載された小型熱帯魚水槽「Avo(アヴォ)」がクラウドファインディングサイト「Kickstarter」に掲載され、話題を呼んでいますね。アクアリウムの中で「手間がかかる箇所」を出来る限り省いた「水槽セット」のようです。日本での発売は全く未定ですが今回はその「Avo(アヴォ)」をアクアリウムをやっている側の人間がよくわからない人向けにわかりやすく解説していこうかと思います。

※まだ開発途中の上、すべての情報が掲載されているわけではありませんので、認識違いなどあるかもしれません。

以下原文です。

Avo(アヴォ) is a unique self-cleaning fish tank. It requires no filter cleaning or water changes making fish keeping simple and beautiful.
アヴォは、ユニークな自己洗浄水槽です。それは、シンプルで美しい保つ魚を作るんフィルタークリーニングや水の変更を必要としません。(google翻訳)

といっても、初心者さんやアクアリウムやったことない方には何が画期的か、何が今までと同じかもよくわからないともいますので、これをもうちょっと詳しく解説していきます。

Avo(アヴォ)の仕様・特徴(2014/10/26現在)

まずはじめに、現在判明しているAvoの特徴を見ていきます。

仕様

横×高さ 30cm×42cm
容量 15リットル
付属機能 ヒーター・照明・エアレーション・フィルター(ろ材付き)
照明種類 LED

機能と特徴

  • 水槽、ヒーター、エアレーション(ぶくぶく)、フィルター(ろ過装置)が一体型になっている
  • 水換え・フィルター掃除が不要
  • 照明の明るさが設定時間により自動調整される
  • 器具の交換が不要
  • 水草は専用のポッドに入っており、取り外しが容易
  • 水槽が球状で高いインテリア性を持つ

取り外しできる水草ポッド

時間により明るさが自動で調整される照明

avo照明

生物ろ過に特化したろ過装置とエアレーション

フィルター

高いインテリア性

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なぜAvo(アヴォ)では「フィルター掃除」「水換え」が必要ないか

Avoで最も押し出されているうりの一つに「フィルター掃除」「水換え」が不要。というポイントが有ります。これはなぜかその理由を記載していきます。

バランスドアクアリムという水槽運用手法の採用

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Avo(アヴォ)のキックスターターページでは水換えが不要な理由として以下のように説明されています。(ちょっと補足しています)

魚のフンや餌の食べ残しから、有害なアンモニアが発生しますが、そのアンモニアをAvo(アヴォ)のフィルタがより無害な硫酸塩に変化させます。その硫酸塩を水草が肥料として吸収することで、水をキレイにするという循環をつくります。

この手法、Avo(アヴォ)オリジナルのものではなく、一般的なアクアリウムで使用される方法となります。

アクアリウムは手間がかかるイメージが先行していますが、もともと「手間を出来る限りかけなくてもいい水槽運用」は過去からずっと考えられています。その中で最も手間がかからない手法と言われるのが「バランスドアクアリウム」と呼ばれる運用方法になります。
バランスドアクアリウムとは「水換えやフィルター(ろ過装置)なしでも熱帯魚や水草を育成できる水槽内環境」を構築することで、アクアリウムの手間を出来る限り省くという水槽運用方法です。
Avo(アヴォ)もその手法になりますのでこれに関しては特に新しいことはありません。

ただし、この手法には以下の様な条件がつきます。

  • 育成できる熱帯魚や水草の種類・量が限られる

ということです。

水換えをしない以上、「水質の悪化」に強い熱帯魚しか育成できません。
また、水草によっては高い栄養を求める種類や、高いCO2濃度を求める水草もあり、その場合は水中内に別途添加する必要がありますが、それをすると水質が変化してしまいますので、そういった水草は育成できないと考えたほうがいいかと思います。
Avo(アヴォ)は最初に購入するときに、「水槽」とメーカー側で選定された「熱帯魚」、「水草」がセット販売になるようです。つまりは自由度が結構さがりますね。

Avoでの推奨熱帯魚

現時点でAvoでの育成を推奨されている生体、水草の一覧がWEBサイトに記載してありましたのでそちらを記載しておきます。

  • カージナル・テトラ(Cardinal Tetra)
  • ネオン・テトラ(Neon Tetra)
  • ラスボラ・ヘテロモルファ(Harlequin Rasbora)
  • エンドラーズ(Endlers Guppies)
  • シルバー・チップテトラ(Silver Tip Tetra)
  • ニューギニア・レインボー(Threadfin Rainbow)
  • ベタ(Siamese fighting fish)
  • キラースネール(Assassin Snail)
  • レッドチェリーシュリンプ(Red Cherry Shrimp)

基本的には水質に強い熱帯魚が中心です。ただ、水量が少ないので、上記の熱帯魚だと結構キツイ種類もあるかと思います。
上記に記載はないですが、この水槽なら「アカヒレ」が一番オススメです。
あと、レッドチェリーシュリンプのようなエビ類はとくに水質に敏感なので、育成は結構きつそうかなという印象です。

Avoでの推奨水草

  • ウォーターバコパ(Bacopa Caroliniana)
  • アヌビアス・バルテリー(Anubias Barteri)
  • ショートヘアーグラス(Eleocharis Parvula)
  • ストロギネ レペンス(Staurogyne Repens)
  • アナカリス(Egeria Densa)
  • バリスネリア・スピラリス(Vallisneria Spiralis)
  • 南米コブラグラス(Lilaeopsis Brasiliensis)

こちらは高光量、CO2添加がないときれいに育たない種類も含まれていますね。まぁ綺麗に育たないだけで、育つことは育つっていう種類もあります。
上記にありませんでしたが、アヌビアス・ナナやミクロソリウム系ならいけそうな気がします。

生物ろ過に特化した「流動式フィルター」の採用

アクアリウムのフィルター(ろ過装置)には「物理ろ過」(枯れ葉などの大きいゴミを取り除くろ過)と「生物ろ過」(バクテリアを繁殖させる住処を作り、アンモニア等の有害物質を無害化するろ過)の2つの役割をもたせるのが主流です。

これに対し、「生物ろ過に特化したフィルター」方式も存在します。それがAvoでも採用している「流動式フィルター」です。
ちなみにこれもAvoオリジナル、というわけでなく、アクアリウムではちょっと前から存在するフィルター方式です。

Avo(アヴォ)でいうと、水槽の中央にある筒が「流動式フィルター」で、白いころころした塊がいわゆる「バクテリアの住処」ですのでここで生物ろ過を行えます

流動式フィルタ

ただ、先述したとおり、「物理ろ過」機能はこの水槽にはついていません
つまり枯れ葉などの大きめのゴミは水中を漂い続けます。ただ、それでは見栄えが悪いのでおそらく人間の手で取り除く作業が必要になるかと思います。

物理ろ過がないのであれば、フィルターの目詰りや汚れの心配が激減しますので、「フィルター掃除は必要ない」といっているのはそういう理由かと思います。

Avo(アヴォ)が画期的なところ

Avo(アヴォ)が今までのアクアリウムと異なる点を上げていきます。

水槽自体のデザイン性の向上

水槽というと四角が一般的ですが、Avo(アヴォ)は球状の水槽となっています。
それにより、中に入っている水草がなんであれ、多少育成状態が悪くてもそこそこ育っていれば、部屋のアクセントとして結構おしゃれに見えるという便利さがあります。

初心者に向けた新しい角度からの販売方法

手間いらず、という売り方

アクアリウムを始められない理由の一つに「手間がかかりそう」というものがあるかと思います。アクアリウム業界は長年この不安払拭に手をつくしていたのですが、なかなかイメージ払拭はできていないのが現状です
実際、いろいろな生体・水草を育てることができる、というところが前提にはなってくると、育てる水草によっては「強い光量を出す照明」が必要であったり「CO2添加装置」が必要であったり、「肥料の追加」が必要だったりしますので、手間がかかってしまいます。
Avo(アヴォ)はこの「いろいろな生体・水草を育てる」という前提は割り切って、「限られた生体・水草の育成」に限定した商品とすることで、かなり初心者にやさしい製品になっていると思います

豊富な機能を水槽一体型に

動画をみると、「保温」「フィルター」「照明(取り外し可)」「エアレーション」が水槽一体型となっています。
※今までも「照明一体型」はありましたがその他も一体化しているものはたぶん他にはないかと思います。
通常のアクアリウムであればそれぞれ「別売り」が一般的です。理由はいろいろありますが、簡単に言うと、水槽ではいろいろな生体・植物を育てることがあるため、それに合わせた商品の購入が必要になるためです。
このAvoのデザイン面はおいておいて、機能面だけであればショップや通販で売っている商品だけで十分揃えることが可能ですしコスパもいいはずです。
ただし、初心者が買い揃えるまでに商品選びに迷うでしょうし、設定、設置にも手間がかかるはずです。

Avo(アヴォ)では、最初から割りきって、一部の熱帯魚のみに限定し、水草も光量やCO2が不要な植物育成をメインとする仕様としているのかと思います。そうすることで、「照明とか水槽とかいっぱいありすぎて何買えばいいかわからない」「設置とかめんどくさい」という人にとってはこれを選べばおわりますので、アクアリウム初心者にとって選びやすい商品になっているように感じます

Avo(アヴォ)は本当に手間いらず?

商品の情報が英語ですし、すべて公開されているわけではないと思いますので認識違いや、機能の追加は今後あるかもしれませんが今把握している情報を元に、必要になりそうな日々の手間を記載していきます。

生物ろ過ができあがるまでの期間の水換え

アクアリウムではろ過装置内にバクテリアの住処を作り、そこにバクテリアを定着させ、そのバクテリアの働きにより水中の有害物質(アンモニア、亜硝酸など)をより無害な物質に変えていきます。
ただ、バクテリアに関しては水を入れてすぐ定着するわけではなく、一般的なアクアリウムでもだいたい2-3週間程度はかかります。その間は有害物質を無害化できないため、水換えの頻度を上げて、有害物質を水槽外に排出する必要があります。
Avo(アヴォ)も当然必要になるはずですので、最初のバクテリアが定着するまでの期間は水換えを行うことになるかと思います。

コケ掃除

水槽にはどうしてもガラス面や水草に「コケ」が発生し付着します。Avo(アヴォ)ももちろん例外ではありません。「水草が育つ環境」ということは「コケも育つ環境」とイコールです。見栄えを重視するアクアリウムではコケ最大の敵なのですが、これは普通のアクアリウムと同じように掃除をする感じになるかと思います。

目に見えるゴミは網などで除去

先述したとおり、おそらく物理ろ過機能はもっていないので、目に見えるゴミは人間の手で除去する必要がありそうです。
こればっかりはしかたないですかね。

熱帯魚の餌やり

熱帯魚のために餌やりは当然必要です。また、量をしっかり見極める必要があります。餌は水槽が汚れる原因の一つですので、食べ残しが多いとすぐに水質悪化をまねきます。特にAvo(アヴォ)のように水量が少ないと、すこしの食べ残しでも水質に対しての影響が大きいです。餌は食べ残しがない量におさえましょう。

水の追加

水換えは不要とのことですが、水槽の水は蒸発して空気中に放出されてしまいますので、その分の追加は必要になります。追加する場合、水道水にカルキ抜きの液体を入れたものを水槽に追加してください。

Avo(アヴォ)のメリット・デメリット

メリット

  • 水換えやフィルター掃除が不要なため手間が少ない
  • アクアリウムに必要な機能がひと通り揃っているため製品選びで迷う必要がない
  • デザイン性が高いため、水槽内の水草の育成状態にかかわらず綺麗に見える
  • レイアウト自由度が低い代わりに、レイアウトを検討する必要がない
  • 水草が専用のポッドに入っているため、取り出しや交換が容易

デメリット

  • 育てられる熱帯魚が限られる
  • 育てられる水草が限られる
  • 自由なレイアウトができない
  • 器具を取り替えることができない・カスタマイズできない
  • どこか一部壊れたら全取り替え?

感想

Avo(アヴォ)は初心者にとってわかりやすい商品ですし、手間も少なくすむためアクアリウムのハードルがぐっと下がりそうですね。単純にインテリアとしてもおきやすいサイズ感ですので、部屋のアクセントにもなりそうです。

Avo(アヴォ)から初めて、もっと本格的にいろいろな熱帯魚や水草育成をしたければ一般的なアクアリウムを始める、という流れが今後できるかもしれませんね。

興味がある方は以下から支援してみてはいかがでしょうか。
Avo kickstarter

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