アクアリウム水槽内の水質を維持する装置であるフィルター(ろ過装置、水中ポンプ)ですが、これには色々と種類があります。なかなかとっつきにくそうな「ろ過フィルター」ですが、どんな水槽にするかが決まっていれば種類もだいたい決まってきます。ここでは現在アクアリム業界で一般的に購入できるフィルター方式をすべて掲載し、それぞれの選び方と特徴をまとめてみました。
その他ろ過やフィルターについて知りたい方は以下からご覧ください。
この記事の目次
アクアリウムの水槽内の水をろ過するために水槽に取り付ける装置のことです。ろ過フィルター(単にフィルター)、水中ポンプ、ろ過器、ろ過装置などと呼ばれています。
水槽の水は魚のフンや餌の食べ残し、水草の枯れ葉などが原因となり、枯れ葉などのゴミや生体のフンや餌の食べ残しなどから発生するアンモニアなどの有害物質によって日々汚れていってしまいます。ほうっておくと、その汚れで生体が死んでしまいますので、その汚れや有害物質を取り除き、きれいな水を保つ装置がこのフィルターになります。
ろ過の仕組みの詳しい解説は別の記事で紹介していますので興味がある方は以下の記事を見てください。
水槽を初めて立ち上げる前に!ろ過、バクテリアに関しての基礎知識
ここでは簡潔に説明していきたいと思います。
さて、フィルターには通常以下3つのろ過機能がついています。
水中のフンや水草の枯れ葉などのゴミを、網やスポンジでゴミを引っ掛けてとり除くろ過方法です。目に見える程度の大きいゴミであれば物理ろ過で取り除けます。
フィルター内に微生物(バクテリアの)住処(ろ材)を作り、そこに定着したバクテリア(好気性細菌)の働きによって水の不純物や有機物、有害物質を取り除くろ過方法です。水をピカピカにしたい!と思えば、このろ過能力がおおきく影響してきます。
水槽立ち上げ時にはよく濁り、黄ばみが発生します。そういったものの原因となっている物質を吸着・分解するように作られた素材(活性炭やゼオライトなどが代表的です)を水中に入れることで水をろ過する方法です。
この上記3つのろ過が水槽内で働くことにより、水がきれいに保たれているわけです。
アクアリウムのフィルターとはこの「物理ろ過と生物ろ過、化学ろ過の仕組みを水槽に導入する装置」と言い換えることができます。
その機能を持たせるために、「ろ材」というものをフィルターの濾過槽に入れる必要があります。
ろ材は「物理ろ材」「生物ろ材」「化学ろ材」の3種類に分けられ、どんなに高価なフィルターを購入したとしても、ろ材がダメだとどのろ過も機能しません。
そのためろ材はフィルターの心臓とも言われるほど重要な製品になります。
ろ材の詳しい説明はながくなるので以下の記事に別途まとめています。
水槽フィルターの濾過槽内に入れるおすすめのろ材・ろ材の順番
また、ろ過フィルターの掃除方法に関しては以下にまとめています。
外部フィルターとろ材、ホースの掃除方法と頻度・タイミング
ろ過フィルターの中で最も重要な機能といえるのが、ろ過バクテリアによる生物ろ過になります。生物ろ過が効率的に働けば、水がきれいになるため、見た目の向上、生体の健康維持、水換えの手間の削減など様々なメリットがあります。そのため、このいい働きをするろ過バクテリアの繁殖をさせる必要があるのですが、そのためには
・ろ過バクテリアが定着するための素材(ろ材)があること
・酸素が十分に供給されていること
・水流が流れていること
の3つが重要になります。
アクアリウムで「いい働きをするバクテリア」というのは「好気性細菌」という「酸素をエネルギーに働くバクテリア」になります。酸素が足りないと「嫌気性細菌」という水槽内に逆に悪影響な物質を排出するバクテリアが繁殖してしまいます。
そのためそもそも「ろ過バクテリアのすみかになる場所」が用意されていて、そこには「酸素が十分あり」、それが供給されるように「水が流れていること」が重要になってくるわけです。
種類としては以下の大きく8種類程度あります。
ここではそれぞれの特徴やメリット・デメリットを記載していきたいと思います!
もう手っ取り早く結論からいっちゃいましょう。
全種類のフィルターの比較表です。5段階評価になっておりまして、数字が高いほど、優秀だという意味です。
できるだけ客観的に判断するようにしていますが、個人的な主観が入ってますのでその点ご了承ください。(特に見た目の項目)
方式 | 価格 | ろ過能力 | メンテナンス | 静音性 | 見栄え | 水草育成 | 生体育成 | 対応サイズ | おすすめな水槽 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
外部 | 3 | 4 | 2 | 5 | 4 | 5 | 4 | 全サイズ |
大型水槽 小型水槽 水草水槽 エビ水槽 |
外掛け | 4 | 2 | 4 | 4 | 3 | 4 | 3 | 45cm以下 |
小型水槽 水草水槽 |
上部 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 | 2 | 5 | 30cm以上 |
大型魚水槽 生体メイン水槽 |
底面 | 4 | 4 | 1 | 4 | 3 | 2 | 5 | 60cm以下 |
エビ水槽 稚魚水槽 |
投げ込み | 5 | 1 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 | 45cm以下 |
小型水槽 サブフィルター |
スポンジ | 4 | 3 | 3 | 2 | 1 | 2 | 3 | 設置数次第 |
小型水槽 サブフィルター |
流動式 | 2 | (5)※1 | 5 | 4 | 3 | 4 | 5 | 全サイズ |
海水水槽 大型水槽 生体メイン水槽 水草水槽 |
オーバー フロー |
1 | 5 | 4 | 3 | 5 | 2 | 5 | 60cm以上 |
海水水槽 大型水槽 |
※1 流動式フィルターは生物ろ過機能のみの評価
価格 | ろ過能力 | メンテナンス | 静音性 | 見栄え | 水草育成 | 生体育成 | 対応サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3 | 4 | 2 | 5 | 4 | 5 | 4 | 全サイズ |
水槽から離して設置するタイプのフィルターです。
アクアリウムをやるのであれば、どのような目的であっても選択肢に上がってくるほど汎用性の高いフィルターと言えます。写真を見ていただければわかるのですが、ろ材を入れる容器と、その上部に水を循環させるためのモーターがついている構造となっています。ろ材容量が大きいため、強力な生物濾過が実現可能で、濾過能力はフィルターの中でも上位に位置します。そのため、どのような目的の水槽でも選択肢の候補に上がってきやすく、汎用性の高いフィルターといえるかと思います。
また、10年以上使用しているという報告も見かけるほど、耐久性、メンテナンス性が高いのも特徴です。フィルターの中で空気に接触しない構造ですので、水草育成に必須な「二酸化炭素(CO2)」を逃がしにくく、最も水草育成に向いているフィルター言え、実際にレイアウトコンテストに出展しているような水草水槽にはほぼ使用されているかと思われます。
また、水槽台の中に外部フィルターを収納してしまえば、水槽周りがシンプルですっきりしますので水槽の見栄えもよくなります。
水槽の上部に設置するタイプではありませんので、照明設置スペースが確保できますので、光量も十分に確保可能です。
基本的には45〜90cm程度のサイズの水槽のラインナップが豊富にありますが、30cm以下のサイズのものも最近多く登場していますので、設置スペースさえ確保できれば、あらゆるサイズに対応可能です。
CO2を逃さず、照明設置の邪魔にならないため、水草育成を目的とするならこれ一択といっていいほどのフィルターです。
小型〜中型熱帯魚の飼育であれば、十分すぎる濾過能力を誇りますので特に問題ありません。ただし、単純に生体のみを飼育するということであれば後述する「上部フィルター」のほうが、酸素を取り込みやすい構造である分、生体が酸欠になりにくいと言えます。
シュリンプ飼育を目的とした水槽でもよく使用されるフィルターです。ただ、外部フィルターは構造上、他のフィルターに比べ「酸素を取り込みにくい」というデメリットが有りますので、エアレーションなどの対策を検討してください。
大型魚の場合、フンの量が多く水を汚しやすいため、外部フィルターだけでは濾過能力が不足する可能性があります。通常、大型魚の場合は上部フィルターと外部フィルターを併用することが多いです。
大型魚などの排泄物が多い熱帯魚の飼育時に、外部フィルターでは目詰りをおこしたり、濾過能力が不足する可能性があります。外部フィルターを複数台設置するか、上部フィルターなど、他のフィルターとの併用を検討してください。
少し前までは外部フィルターというと30cm以上のラインナップが多かったのですが、最近では30cm以下向けの外部フィルターも入手可能です。
ただ、30cm以下になると、外部フィルターを設置するスペースが確保できないことも考えられる上、30cm以下のサイズ程度であればもっと安価で、サイズも小さい他のフィルター(外掛け式フィルターなど)で対応可能ですのでそちらでもいいかと思います。
外部フィルターで代表的な製品は以下のようなものがあります。
※対応サイズなどはチャームサイトにてご確認ください。
外部フィルターとひとくちにいっても様々なメーカーから製品が登場しています。
外部フィルターの中で、どのようなメーカー、製品を選べばいいかというより詳細な記事を以下にまとめていますので興味があればこちらから記事を見てください。
もっと外部フィルターについて知りたい!
価格 | ろ過能力 | メンテナンス | 静音性 | 見栄え | 水草育成 | 生体育成 | 対応サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | 2 | 4 | 4 | 3 | 4 | 3 | 30cm以下 |
コンパクトなろ過装置で、水槽の上部の縁に引っ掛けて使用するタイプのフィルターです。小型ですので設置、取り外しが楽で、ろ材の交換も手軽に行うことが可能です。製品によっては「物理ろ過のみ」という商品もあったりますが、最近のものは外部フィルター同様、「生物ろ過」「物理ろ過」「化学ろ過」のろ材をすべて入れることができる商品も流通しています。その点で言えば、先述した「外部フィルター」の下位互換の製品と言えるかもしれません。ただし、そもそものろ材容量がかなり小さいため、外部フィルターと比べると圧倒的に濾過能力も落ちます。また、水面と排水パイプの間に高低差があると、水が水面をたたく音がしてしまいます。この高低差を出来る限りなくせば静かにはなりますが、夏場など、水の蒸発が多い時にはいつの間にか音がぴしゃぴしゃなっているということがよくあります。
ろ材の交換は定期的に行う必要があり、頻度としては外部フィルターよりも多いため、ろ材購入費が維持費として発生します。
また、一部商品では、対応水槽サイズの割に水流が強い製品があったりします。外部フィルターではれば流れの弱い排水パイプに変更したり、壁に水流を当てれば強弱の調整が可能ですが、外掛け式フィルターは固定式ですので水流の調整が難しいです。水流が強い場合には熱帯魚の体力消耗や、水草の成長阻害などが起きてしまいますので、その場合には板を挟んだり、水流に強い水草に水流をあてワンクッション置く必要がありますので注意してください。
主に「外部フィルター」と比較されることが多いフィルター方式です。この外掛け式フィルターの上位互換が先述した「外部フィルター」になるため、外部フィルターを購入するほどではないという場合に選択肢に上がってきます。
外部フィルターを設置するスペースが確保できない場合「外掛け式フィルター」が選択肢に上がってきます。ただし、多くの生体を飼育したい場合や大型の水槽に対しては濾過能力が不足するおそれが出てきます。外部フィルターを購入しておけば濾過能力の点では不安はありませんので、諦めて外部フィルターの購入を検討してください。
(30cm以降のサイズ対応の製品も登場していますが、その分水槽の上部を専有してしまいます。また、そこまでのサイズになれば「外部フィルター」を購入しておいたほうが汎用性が高く、何を育成、飼育するにしても対応できますので外部フィルターを購入したほうが便利かと思います。)
小型水槽のように、外部フィルターを導入せずともろ過可能なレベルでの水量と飼育数であれば、こちらの選択でも問題ありません。実際に多くの育成報告が見つかります。大体30cm以下の水槽であれば問題はないはずですので、そこを基準に、水量と生体量を考慮して選んでください。
多くの生体を飼育したい場合には濾過能力が不足するおそれが出てきます。
構造上CO2を逃がしやすいため水草の育成に関して批判的な意見もあったりします。もちろん、CO2添加効率は落ちますが、その分を考慮してCO2添加してやれば、特に問題なく育成できるかと思います(光量は別として)。
極力、安価に抑えたい場合はこの「外掛け式フィルター」か後述する「投げ込みフィルター」になります。ただしその分濾過能力がかなり劣りますのでそこは注意が必要です。
濾過能力が低いため、30cm以下の水槽であっても、過密水槽の場合は処理能力を上回ってしまうことが懸念されます。熱帯魚の種類と数によるので一概には言えませんが、不安がある場合は外部フィルターの選択にしたほうが無難です。
外掛けフィルターで代表的な製品は以下のようなものがあります。
※対応サイズなどはチャームサイトにてご確認ください。
以下の記事で外掛けフィルターの特長・仕組みや、おすすめな製品と比較、実際に製品を使って組み立て・設置・メンテナンスなどを解説しています。
「外掛けフィルター」の特長・使い方や掃除方法とおすすめな製品と比較
価格 | ろ過能力 | メンテナンス | 静音性 | 見栄え | 水草育成 | 生体育成 | 対応サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | 4 | 4 | 2 | 2 | 2 | 5 | 30cm以上 |
水槽上部に載せるように設置し、ポンプで水を汲み上げ濾過槽ので濾過後、水槽に水を戻すという方式のフィルターです。ほとんどの上部フィルターは、設置するためには水槽にフレーム(黒フチ)が付いていないとうまく固定でないため、フレーム付き水槽を購入するか、別途フレームが必要になります。ただ、フレーム(黒フチ)はあまり見た目がよくないことから、最近はフレームレス水槽が人気となり、それに伴い上部水槽もあまり使われるこも減少してきました。(最近はフレーム無し水槽で使用できるタイプもでてきましたが一般的ではありません。)
また、外部フィルターに比べ濾過能力が高い、という説明も見られたりしますが、
というように、どちらにもメリットが有りますので一概にどちらが高いとはいえません。
外部フィルターでも、エアレーションや水草の光合成などで十分酸素を確保すればろ材容量の分外部フィルターのほうが「濾過能力が高い」といえるでしょうし、エアレーションをしなければバクテリアの繁殖に影響が出ますのでその時は「上部フィルターのほうが濾過能力が高い」といえるかと思います。ただ、どちらでも対応サイズの規格を購入すれば問題なく有害物質を濾過できますので、その他の項目で選んだほうがいいかと思います。
濾過能力は外部フィルターにひけをとらない上、酸素供給という面では外部フィルターよりも構造上有利ですので、生体メインの水槽用としての使用が向いています。例えば、水を汚しやすく、水草を食べてしまうような金魚水槽にはうってつけです。
基本的には大型魚飼育で、外部フィルターと併用されよく用いられるフィルターです。
大型魚のようにフンが大きく、生物ろ過だけでなく、物理ろ過も強力に作用させる必要がある場合には、メンテナンスしやすい上部フィルターが向いています。
照明スペースが限られる、CO2を逃してしまう、見栄えが良くないといったように、水草水槽には不向きな面が多いため、水草水槽をするのであればおとなしく「外部フィルター」にするか、CO2や光量をあまり求めない水草のみに限定した水槽にした方がいいかと思います。
製品にもよりますが、フィルターの中でも、比較的音が出る部類のフィルターです。
音を出したくないのであれば外部フィルターか、サイズが小さいなら外掛けフィルターでもいいでしょう。
上部フィルターで代表的な製品は以下のようなものがあります。
※対応サイズなどはチャームサイトにてご確認ください。
価格 | ろ過能力 | メンテナンス | 静音性 | 見栄え | 水草育成 | 生体育成 | 対応サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | 4 | 1 | 4 | 3 | 2 | 5 | 60cm以下 |
水槽の底に、すのこのように穴が合いたフィルターを起き、その上にセラミックサンド・溶岩医師・吸着系ソイルなど、多孔質な底床(バクテリアの住処)を敷き、ポンプやモーターで水を循環させ、底床自体をろ材として使いろ過する方式です。
底床全体をろ材として使用するため、ろ材容量が他のフィルターよりも圧倒的に大きいことから、生物ろ過能力が非常に高いと言われています。ただし、同時に、物理ろ過も底床により行われますので、何も対策をしないと底床にどんどんゴミが蓄積してしまいます。そうなると目詰りを起こしたりしますので、底床をプロホースで定期的に掃除するか、その他のフィルターと併用するなどの対策が必要となります。
水槽サイズが大きくなればなるほど底床掃除が手間になるため、個人の気合次第ですが、基本的には60cm水槽までと考えたほうがいいでしょう。
また、底面フィルターの方式には2種類あり、
があります。
また、底面にフィルターを設置する方式のため、以下の理由から水草との相性は悪いです。
(水草を育てられないことはありませんが、あえて底面フィルターを選ぶメリットは無いかと思います。)
稚魚のように水質にデリケートな生体を飼育する際には、有害物質の分解能力の高い底面フィルターがおすすめです。
シュリンプも同様に、水質にデリケートですので濾過能力の高い底面フィルターは最適です。
60cm以下の生体メイン水槽であれば、水槽内環境を最適に保つことが可能です。
生体メイン水槽となると、「上部フィルター」が候補に上がってきますが、その場合は水槽にフレームがなければ自動的に「底面フィルター」の選択となります。もしフレームがある場合は「上部フィルター」の設置が可能ですので、あとは「メンテナンスしやすい方がいい」なら「上部フィルター」を。「静か」で「濾過能力が高い」ほうがいいなら「底面を選ぶ」という選択でいいかなと思います。
植えにくく、フィルターに絡まりやすく、掃除がしにくく、肥料が流出してしまう、底面フィルターは水草育成には不向きです。とは言え、上部フィルターとは異なり、CO2も水中に維持しやすく、水槽上部のスペースが空くため照明も多く設置可能ですので、難易度の高い水草も育てることは不可能ではありません。が、水草を目的の一つとするならあえてこの底面を選ぶ必要は特に無いかなと思います。
例えば、アヌビアス・ナナなどの活着させる水草であれば、岩に活着させ掃除の際にはそれを持ち上げて掃除する、などの工夫をすればなんとかなります。また、最初から短期リセット覚悟で、という形なら育てられないこともないでしょう。
どうしても外部フィルターを設置するスペースが確保できない場合に選択肢に上がってくるかと思います。
底床掃除をまめに行う必要がありますので、大型になればなるほど作業量も膨大に膨れ上がっていきます。
個人がどれだけ手をかけられるか次第ですが、おそらく60cm程度が限界ラインかと思います。
有名な製品は「ニッソー バイオフィルター」「GEX マルチベースフィルター」「コトブキ工芸 ボトムボックス」の3つのシリーズです。
単純な構造のため、あまり機能、性能差はありません。
ニッソー 新バイオフィルター60
ニッソー
※
参考価格:
¥ 1,441
※
amazon : ¥ 670※charm : ¥ 652※
底面フィルター代表格ニッソーのバイオフィルターです。底面といえばこれ、といえる程の商品です。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
ジェックス マルチベースフィルターL (外掛け式・上部・外部フィルター接続用底面フィルター)
ジェックス
※
参考価格:
¥ 1,296
※
amazon : ¥ 690※charm : ¥ 670※
こちらも底面フィルターで人気の高い「GEXのマルチベースフィルター」です。ニッソーの対抗馬。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
コトブキ工芸 kotobuki ボトムボックス600
寿工芸
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こちらは底面フィルターの下部に閉じるための蓋がついているボックスタイプになっており、砂が流入しにくい構造になっています。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
以下の記事で、底面フィルターの仕組みや特徴、おすすめな製品、低床、底面フィルターの設置方法まで詳しく解説しています。
写真で解説!底面フィルターの特徴と仕組み・使い方や掃除方法・おすすめな製品・底床まで徹底解説!
価格 | ろ過能力 | メンテナンス | 静音性 | 見栄え | 水草育成 | 生体育成 | 対応サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
5 | 1 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 | 45cm以下 |
その名の通り、水槽の中にフィルターそのものを入れて使用するタイプのフィルターです。水中フィルターとも呼ばれています。エアレーションをチューブなどで連結し、その泡によって水流を作り出すタイプと、水中ポンプで水流を作り出すタイプが有ります。エアーポンプ方式では「水作エイト」「ロカボーイ」が有名で、水中ポンプ方式では「エーハイム 水中フィルター2006」などが発売されています。一般的には「投げ込みフィルター」と行ったらエアレーションもセットでついてくるタイプのものが多いです。
小型水槽のメインとして使用するか、大型水槽のサブフィルターとして使用することが多く、小型の金魚水槽や、小型の水槽入門セット等にセットでついてくることが多いフィルタータイプです。
フィルターの中では最もローコスト(水作エイト30cm用で350円程度)な種類となりますので、最も安価にアクアリウムを始めることができます。水槽の入門セットや、小型の金魚水槽でもおすすめされることの多いフィルタータイプです。底面フィルターや外部フィルターなどのように、煩わしい設置作業などが必要ないため、そういった点から初心者セットなどに付属されることが多いです。シンプルなエアレーションがついてくるタイプだと酸素供給が行われるため、生体飼育には最適ですが、CO2が逃げてしまうため、水草の育成効率はあまりよろしくありません。
「安く」「小型水槽」となると、「外掛けフィルター」も選択肢に上がってきますが、水草育成なら「外掛け」、あまり水草育成を重視しないなら「投げ込み」という選択でいいかと思います。
メインフィルターとして「投げ込みフィルター」のみではろ過が追いつかない可能性があります。45cm以上であれば「外部」「上部」「底面」から選んでください。
エアレーションがついてくるタイプですと、CO2の添加効率が悪くなりますので、高いCO2濃度を要求する水草(ロタラ、前景草全般)はあまり綺麗に育たない可能性があります。ただ、上部フィルターのように照明設置スペースと競合しませんので、光量の確保はスペース状問題なく、CO2要求量の厳しくない水草であれば育成可能です。
価格 | ろ過能力 | メンテナンス | 静音性 | 見栄え | 水草育成 | 生体育成 | 対応サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | 3 | 3 | 2 | 1 | 2 | 3 | 設置数次第 |
エアーポンプに取り付けるスポンジタイプのフィルターです。物理ろ過メインのような出で立ちですが、じつは「生物ろ過」のためのフィルターになります。エアレーションとセットで使用すれば、バクテリアが繁殖するだけの酸素を十分に供給でき、スポンジ内で繁殖されたバクテリアが生物ろ過を行います。
これ単体で使用することも可能ですが、見た目よりは濾過能力も高いのですが、それでもやはり外部、上部、底面フィルターに比べると、濾過能力が低く、限界がありますので、外部フィルターや上部フィルターのサブとして使用し、外部や上部フィルターのメンテナンスの手間をできるだけ軽くする、といった使われ方が多いです。
安価ですが、色が濃いため水槽内でかなり目立つのと、スポンジにゴミがつまり目詰りを起こしやすく、目詰りはバクテリアの繁殖に致命的ですので、メンテナンスをこまめに行う必要があります(1回あたりの掃除の手間自体は楽ですが回数が多くなります)。ディスカス水槽などで他のフィルターと併用して使用される記事をよく見かけます。
基本的にエアレーションとセットですので、シュリンプのように酸欠に弱い生体の飼育に向いています。コストも安価に入手できますので、外部フィルターを置くほどでない場合、こちらの選択でもいいかもしれません。
サブフィルターとしてスポンジフィルターを使用することで、メインのフィルターのメンテナンスの頻度を減らすことが可能です。上部フィルターならまだメンテナンスは楽ですが、外部フィルターとなるとちょっと面倒ですので、その頻度を減らしたい場合にはスポンジを併用してもいいかもしれません。
どれくらいのスポンジ量が立ち上げる水槽に必要なのか、という見極めが難しく、立ち上げ時に水質が不安定になる可能性が考えられるため、これ単体で使用する、というのは避けたほうがいいかと思います。
外部フィルターのサブで、という使用方法なら問題ありません。
設置数が少ない場合、濾過能力があまり高くなりませんので、過密気味の水槽で、これをメインフィルターとしての使用は避けてください。
価格 | ろ過能力 | メンテナンス | 静音性 | 見栄え | 水草育成 | 生体育成 | 対応サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2 | (5)※1 | 5 | 4 | 3 | 4 | 5 | 全サイズ |
筒状のケース内にろ材を入れ、そこに水流を流すと、その中のろ材が動くタイプのフィルターです。
アクアリウム業界では比較的最近登場したフィルター方式ですが、水処理場でも使用されているろ過方式で、生物ろ過能力には定評があります。また、ろ材が動き続けるため、目詰まりが起こらない、というのもメリットとして挙げられます。
最近kickstarterで登場した「Avo」というメンテナンスいらずをうたった水槽システムでも採用されているろ過方式です。以下に記事を書いてますので、興味があれば。
シュリンプのように水質の悪化に弱い生体を育成する場合におすすめです。
海水水槽のように、ろ過スペックが求められる場合におすすめです。
あまり流通しているわけではありませんので、比較的高価となります。
物理濾過機能がないため、水を物理的に汚してしまうような生体や、枯れ葉がでてしまう水草等の場合は、このフィルター単体では飼育は難しいです。
その場合、別途物理濾過機能を持ったフィルターを用意してください。
価格 | ろ過能力 | メンテナンス | 静音性 | 見栄え | 水草育成 | 生体育成 | 対応サイズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 4 | 3 | 5 | 2 | 5 | 60cm以上 |
水を、水槽の下に独立したろ過槽に落とし、濾過槽に落とされて濾過された水をポンプで水槽に汲み上げ水槽に戻すという水槽システムのことです。厳密にはフィルターではなく水槽含めた「水槽システム」ではありますが、フィルター機能を比較する際によく登場しますので記述しておきます。
規模が大きく、その分コストが跳ね上がりますが、濾過能力はフィルター内最強と言われています。そのため水をよごしやすい大型魚飼育や海水水槽で用いられることが多いです。
濾過能力が圧倒的に高いのですが、水を濾過槽に「落とす」ため、酸素は取り込まれやすいのですが、CO2が水の外に逃げてしまいますので水草水槽には不向きです。
大型魚などの水を汚しやすい生体の育成や、ろ過スペックが求められる大型水槽などには最適です。過密気味であってもありあまる濾過能力を誇りますので、けっこうな余力があります。
海水水槽も同様に高スペックな濾過能力が求められますので、オーバーフロー水槽はうってつけです。
初心者が最初の選択肢として考慮する必要はありません。一般的なアクアリウムであれば、オーバーフロー水槽は高スペック過ぎます。
もし通常のフィルター(外部・流動・上部・底面など)で濾過能力に不安がある場合は、フィルターを組み合わせることで濾過能力を引き上げることが可能ですので、そちらの方法を検討してみてください。
濾過槽へ水を落としこむ時に、CO2が水の外に逃げます。そのため、オーバーフロー水槽は水草水槽で使用されることはあまりありません。
基本的にはフィルター方式は、自分がしたいアクアリウム次第でほぼ決まってきます。
水草水槽ということであれば「外部フィルター」が最も向いていますが、サイズ次第では外掛けフィルターでも対応可能です。それに対し、上部フィルターや底面フィルターは水草向きとはいえず、どちらかというと生体メインの水槽用と考えたほうがいいかと思います。
流動式フィルターに関しては、高い生物濾過能力を誇りますが、価格が高い上、物理ろ過機能を持っていませんので、他のフィルターと併用することになります。
投げ込みやスポンジフィルターに関しては、あくまでも「サブ」フィルターとしての使用がメインと考えたほうがよく、これをメインでやっていくというのは初心者には難しいかと思います。
オーバーフロー水槽の濾過能力は別格ですがコストが最も高額です。また、カスタマイズ次第、というところもありますので、一概に評価が難しいところです。
以上フィルターの選び方と特徴でした!それぞれの製品で何を基準に選べばいいかはまたおいおいアップします!
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