水槽台にもいろいろと種類があり、既成品からオーダーメイド、自作まで様々です。ここではそもそも水槽台が必要かどうか、というところから、水槽台の選び方とおすすめな水槽台製品を紹介していきます。
この記事の目次
水槽を設置する場所を決める場合、「床の耐荷重」と「水槽を設置する器具の耐荷重」の2つを考慮にいれる必要があります。床や水槽台、家具などは耐え切れる重量というものが必ず決まっています。それ以上のものを設置すると床が抜けたり、家具・水槽台が耐え切れずにこわれたりするという大惨事が起こりますので必ず設置する水槽の重量を計算し、床や設置する家具・水槽台がその重量に耐えきれるか確認して下さい。
水槽を設置する際には水槽台の上に設置するのが一般的です。水槽用となっている既成品は、水を入れた際の水槽重量、その他アクア用品の重量を計算に入れた上で発売されている商品しかないはずですので、チャームやamazonで販売されている水槽台であれば耐荷重は問題ありません。問題が出るとすれば、家具やメタルラックに置くという方法を取る場合には、その製品の耐荷重が水槽重量などの合計重量を上回っていることが最低条件となります。こちら詳しくは後述します。
一般的なマンションの場合、建築基準法施行令の「住宅用途の長期積載荷重の最低基準」で「180kg/㎡」と定められています。もちろん手抜き工事のない場合の話です。以降それを前提に話をしていきます。
以下は水を入れた場合の重量となります。
水槽サイズ | 水槽重量 | 水槽台重量 | フィルター重量 | 照明重量 | 重量合計 |
---|---|---|---|---|---|
30cm水槽 横30×奥30×高30 |
25kg | 11.5kg | 1kg | 1kg | 38.5kg |
45cm水槽 横45×奥30×高30 |
38kg | 15.0kg | 1kg | 1kg | 55kg |
60cm水槽 横60cm×奥30cm×高36cm |
60kg | 19.0kg | 1kg | 1kg | 81kg |
90cm水槽 横90×奥45×高45 |
166kg | 36.5kg | 1kg | 1kg | 204.5kg |
120cm水槽 横120×奥45×高45 |
219kg | 46kg | 1kg | 1kg | 267kg |
水槽、水槽台、フィルター、照明の合計です。以下の重量が水槽を設置した際に床にかかる重量になります。大抵の水槽では1㎡以内に設置可能ですので、1㎡の耐荷重である「180kg」付近になると、床の補強が必要になります。実際には余裕もった重量にした方がいいかと思います。
つまり、60cm水槽までなら床の補強は必要ありませんが、60cmより大きい水槽となると床の補強を視野に入れる必要があるということです。
基本的には家具やメタルラックに水槽を設置するのはおすすめできません。実際にメタルラックに水槽を設置している人もいたりしますが、そういった人は補強を行っていたり、カスタマイズしていたりします。通常の商品をそのまま使用するのは基本的にはNGです。水槽や水槽台が破損すると水が床一面に広がり、下の階にも迷惑をかけますし、ヒーターを設置している時期の場合、火事のリスクが有ります。そのため、基本的には信頼できる、専用の水槽台を購入してください。ただ、それでも以下の条件をクリアしていれば水槽台として使用できるかと思います。繰り返しますがおすすめな方法ではありませんので、あくまでも自己責任でお願いします。
テーブルや本棚、テレビ台などの一般的な家具では耐荷重は20、30kg程度ですので、30cm水槽すら設置はできないかと思います。そのため、よほど耐荷重の高い製品を選ぶか、カスタマイズして耐荷重を増やすかをしないと、水槽台として使用することは難しいです。(30cm以下の水槽は別として)
意外とネットを探していると使用されているのが「メタルラック」です。メタルラックはもともと耐荷重が高く、数値上は水槽の重量に耐えれる数値のものが多いです。ただ、注意したいのは、耐荷重が150kgとなっていても、それはあくまでも「全体」での耐荷重であって、1面での耐荷重ではないことです。1面での耐荷重が50kgという製品であれば、60cm水槽の重量を支えきれません。
また、例えば以下の商品によっては「棚板1枚あたり/75kg、全体150kg」と記載されているものがあります。この場合、1面あたりの耐荷重は60cm水槽の場合でもクリアしていることになります。ただ、それでもおすすめできないのは、メタルラックは四隅の4点を支点に支える構造になっています。そのため、メタルラックに水槽のような重いものを設置すると中央が重さによりくぼんで曲がってしまいます。水槽の接地面が歪んでしまうと、水槽の底面にかかる圧力が四隅に集中してしまい、結果水槽が割れてしまいます。
また、メタルラックは水にぬれることを想定してはいません。水槽では水換えや掃除など、水がこぼれてしまうことが多々あります。メタルラックが水に濡れたまま放置していると、素材によりますがほとんどのものは錆びるなどの劣化が起こってしまうはずです。そうすると、製品の耐荷重以下であっても、劣化により破損が起こってしまう可能性があります。
そのため、メタルラックに設置する際には水槽の下に曲がりにくい板(集めの木材など)を置くことで対応しているアクアリストもいます。
※板の上には「水槽マット」を敷いてください。
上記のように、家具やメタルラックでは水槽設置は厳しいケースも多いため、30cm以上の大きさの水槽となると一般的には水槽台を購入するほうが安心で確実です。ここでは水槽台の選び方を記載していきます。
水槽台には水槽だけを設置するスペースがあればいいわけではありません。水槽は基本的にその他に設置する器具や、日々のメンテナンスで使う器具などの収納スペースが合ったほうが便利です。外部フィルターであればフィルターから水槽までホースやパイプを通す必要があるため、水槽台の背面に板がないものや、ホースを通す様の穴が空いている商品が多いです。
また、水槽台は一度水槽を立ち上げると、交換はほぼ不可能な上、リセットの際に交換しようと思っても、分解やゴミとして捨てるのに苦労しますので、ある程度高めのものを買ってしまったほうがいいかと思います。
「水槽台」として販売されている商品であれば当然ここはクリアしていると思います。一回り小さめのサイズの水槽台を購入して使用するなどをしなければ問題は無いと思います。
どの製品でも同じですが、実績のある製品にしてください。また、安定して一定の品質を保てる商品を供給するノウハウのある会社の製品という点も評価が上がります。
必ず製品の口コミや評価を見て、メリット・デメリット考慮に入れて購入してください。
水槽にはフィルターやCO2強制添加装置など、水槽の近くに設置することが必須なものや、カルキ抜き、エサ、ピンセットなど水槽の近くにあったほうが便利なものがあります。それらすべてを収納できれば、水槽メンテナンスが楽になりますので、そういったものを収納、設置できる商品である必要があります。
また、外部式フィルターの場合、水槽までホースを伸ばす必要がありますので、そのために水槽台背面や、側面にホースを通すための穴が空いている商品でないと、外部式フィルターの設置ができません。さらに水槽用クーラーを設置する場合、クーラーは結構な熱を排熱するため、密封状態だとうまく機能できません。そのため、通風口があるものやか、水槽台の背面すべてが空いている商品を選ぶ必要があります。
意外と便利なのがこの「油圧ダンパー式蝶番」が付いている製品です。「サイレントクローザー」とも呼ばれます。扉の開け閉めの際に、これがついていないと一気に閉じるので「バンっ」と大きい音がでます。魚がびっくりしたり、周りの人に迷惑をかけてしまうので、あれば便利です。ない場合も扉にクッション素材を付けるなどすれば対応可能ですので、必須というわけではありません。
水槽台は個人的には以下の商品がデザイン性が高く好みです。まぁここは好みですので好きにして頂いて構いません。参考までに。
取っ手などが付いていると、そこが目立ってしまいます。また、扉の間の溝や、段差なども同様に悪目立ちしてしまうので、フラットなもののほうがおしゃれに見えます。あとで紹介する「ADA」、「Cube a Stump」「ジェーナス」といった人気の高い製品でもこういったデザインが採用されています。
水槽台には大きく分けて、「扉付きの商品」と「フレームだけの商品」があります。フレームだけの商品はフィルターの配管やカルキ抜きなどのメンテ用品が丸見えになってしまい、ごちゃごちゃした印象になってしまいます。扉付きのものを購入すれば、扉を閉めてしまえばそのごちゃごちゃ感もなくなり、水槽周りをすっきりさせ、印象を良くすることができます。人が部屋に来た時にとりあえずぶち込んで扉を閉めておけばきれいに片付いたように見えるので便利です。
複数の色や、複数の素材が組み合わさっている製品だと、統一感がなくなりますので、基本的にはひとつの種類の材質、ひとつの色で統一されていたほうが綺麗です。もちろん、部屋のインテリア次第です。
例外として、あえて透明にし、フィルターなどを全部見せるという特殊な水槽台も存在します。それがADAから発売されている「キューブキャビネット」シリーズです。キューブキャビネットはADAの水槽「キューブガーデン」と同様のクリアガラスで制作された水槽台で、透明度が高い商品です。これはADA製品のような、洗練されたデザインのアクア用品を水槽台に設置し、すべてをあえて見せるという商品です。
安い商品であっても、光沢感があるだけで高級感を出せます。水槽のような透明感のある製品にも、光沢はマッチします。もちろん、部屋をマットな印象で統一している場合は光沢感のない製品でもいいかと思いますのでここは部屋の印象と合わせてもいいかと思います。
扉がついていないフレームのみの水槽台です。水槽台の中では最も安価に購入可能なタイプです。ただ、フィルターやメンテナンス用品が丸見えになりますので、ごちゃごちゃした印象となります。
ニッソー 組立スチールキャビネット600 NCS-030
ニッソー
※
参考価格:¥ 5,832※
amazon : ¥ 2,710※charm : ¥ 2,533※
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
60㎝水槽用組立2段台BK
ジェックス
※
参考価格:¥ 5,378※
amazon : ¥ 2,406※charm : ¥ 2,980※
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
僕が持っている商品です。光沢感はそこまでテカテカせず、扉に取っ手が付きという、自分の理想からは多少外れたデザインですが、扉付きのタイプの水槽台商品の中では安価に購入できるシリーズです。またメーカーもアクアリウム業界で信頼のあるGEX社のものですので水槽を置いた際の耐久性という点でも安心できます。これで3年ちょっと60cm水槽を置いていますが、今のところ問題も起きていません。この商品は自分で組み立てるタイプのものなのですが、ネジ穴がかなりきつく、苦労した記憶があります。僕は手動のねじ回しで無理矢理乗り切りましたが、女性などは厳しいと思いますので、電動ドライバーの購入をおすすめします。口コミを見ていると逆にネジ穴が緩くボンドや接着剤が必要といった声もあったので、ネジ穴の精度は悪いのかもしれませんね。色は「黒」「白」があります。
ジェックス 扉付キャビネット 610WN 黒木目
ジェックス
※
参考価格:¥ 13,824※
amazon : ¥ 5,551※charm : ¥ 6,800※
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
GEXよりも少し高くなりますが、コトブキのこの製品は、光沢感も強く、水槽台に取っ手もついていないため、デザイン性が高くなっています。色は「ホワイト」「ブラック」があります。これを設置するだけでも水槽の印象が変わりそうですね。こちらもGEX社と同様に組み立て式になります。ただ、プロスタイルシリーズは木目のシートを板に貼り付けている箇所があるようで、そこを水に濡れたまま放置すると剥がれてくることがあるようです。安いので仕方ないですかね。
参考:コトブキプロスタイルのメッキはげて、新魚の投入
参考:コトブキ工芸 プロスタイルの注意点
コトブキ プロスタイル 600S ブラック
コトブキ
※
参考価格:¥ 15,768※
amazon : ¥ 7,036※charm : ¥ 7,280※
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
アクアリウム業界をけん引する日本メーカーADA社が販売する水槽台です。3シリーズあり、どれもそのクオリティはさすがのヒトコトです。デザイン性の高さはもちろんですが、こちらは組み立て済みの製品となりますので、クオリティも一定に担保されています。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
水槽台のオーダーメイドを受け付けている販売店もあります。デザイン、サイズ、材質など、市販品には無い商品の場合、オーダーメイドで制作をうけてくれるところもあります。また、自分で組み立てるタイプの水槽台だと、製品によってはネジ穴がきつく、組み立てに時間と手間がかかったり、板と板をつなぐ箇所に段差ができるなどの不具合が起こったりしますが、オーダー製品の場合はプロが制作しますのでそういったことが起こりにくいです。
以下有名なところを記載しておきます。
福岡県久留米市の家具屋「MorinoOkurimono(森の贈り物)」さんが制作する水槽台で、アクアリストからの評価がとても高い製品です。様々な素材、カラーから選ぶことが可能で、自由度は探した中では最も高いです。また個人に合わせたカスタマイズも行っていますので、特殊なサイズの水槽や、こだわりを実現可能です。ずっとほしいなと思ってますが、まだ手が出てません。いつかきっと!
参考:おすすめの水槽台はこれだ!「Cube a Stump」は品質・機能・デザインが完璧!
参考:オシャレで機能性も抜群!水槽台「Cube a Stump」をご紹介
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
熱帯魚用水槽台の通販店です。インテリアに合わせてカラーや木目をオーダー可能で、それぞれの部屋にマッチした水槽を制作してくれます。
参考:http://dig323.blog22.fc2.com/blog-entry-5.html
参考:http://aquai.exblog.jp/9880121
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
製品で気に入るものが無かったり、出来る限り安く終わらせたい場合、自作、DIYという手段もあります。ただ、制作するための道具や素材が必要になり、それなりの技術や知識が必要になります。水槽台自作の秀逸な記事をみつけましたので、ここでは記事の紹介だけさせていただきます。
また記事先に記載されている通りの制作を行ったとしても、壊れないことを保証するものではありません。記事先のサイト様が善意で公開している記事となりますので、あくまでも自己責任でお願いします。(記事先のサイト様に迷惑かけないでねということ)
●自作水槽台の図面ダウンロード
こちらの記事から図面がダウンロードできます。寸法は寸法はW650mm×D450mm ×H790mm。
●1番かんたんな60cm自作水槽台の作り方 (1記事で終わるよ!)
●備忘録を使って、自作90cm水槽台の作り方!
ブログを2015年の3月から始められたとのこと。不覚にも見落としていました。更新頻度も高く、内容も参考になるモノが多いのでオススメです!
小型水槽向けのろ過装置「外掛けフィルター」の特長・使い方や掃除方法とおすすめな製品と比較
写真で解説!底面フィルターの特徴と仕組み・使い方や掃除方法・おすすめな製品・底床まで徹底解説!
水槽初心者でも小型水槽で飼育できるおすすめの熱帯魚の種類・特徴
初心者向け!小型水槽の立ち上げ方・始め方と水槽製品の選び方、水槽管理方法
水槽台の選び方とおすすめな水槽台(既成品・オーダーメイド・自作)
水槽用クーラー・冷却ファンなど夏の水温を下げる方法の一覧とおすすめな製品
コリドラスの特徴・飼育方法と人気の種類一覧丨寿命・繁殖方法・エサ・水温・器具の選び方など
花が咲く!ブセファランドラの育て方丨活着方法やトリミング方法や増やし方のまとめ
アヌビアス・ナナの育て方丨流木・岩への活着方法やトリミング方法、増やし方のまとめ
ウィローモスの育て方丨流木・岩への活着方法やトリミング方法、増やし方のまとめ