濾過フィルターの中でも、人気の高い底面フィルターの特徴と仕組み、さらには設置方法・掃除方法を、写真付きで解説していきます。また、おすすめな製品や低床を紹介します。
その他、水槽用ろ過フィルターの情報を知りたい方は以下から御覧ください。
この記事の目次
底面フィルターとは、本体を水槽内の底に設置して使用するタイプのフィルターで、その上に砂やソイルなどの「底床」を敷くことで、その底床を「ろ材」として使い、その下の底面フィルターの本体が水流を作り、底床内に水流を発生させ濾過するという濾過フィルターです。
先述したとおり、ろ過フィルターは生物ろ過を機能させることがもっとも重要な機能ですので、生物ろ過を機能させるために以下3つの機能が必要になります。
・ろ過バクテリアが定着するための素材(ろ材)があること
・酸素が十分に供給されていること
・水流が流れていること
底面フィルターは上記のような構造になっており、底床の間から水を吸い取って、底面フィルター内を通過させ、ポンプから再度水槽内に排水します。そのため、底床内には水流が発生し、酸素が供給され、底床内にろ過バクテリアが繁殖することで、生物ろ過を行っているのです。
また、底床に向かって水を吸い込むので、底床自体にゴミを濾し取る「物理濾過」機能も担当させています。
一番わかりにくいのは「底床」を「ろ材」として使用する、というところでしょうか。というのも、他のフィルター方式を知っている人ならわかると思いますが、通常、フィルター内に設置するろ材というのは別途専用のもの(リング状ろ材やゲルキューブなど)を購入しているはずです。
なので、「ろ材」というとそれ専用のものと言うイメージが有るかと思いますが、このろ材というのは「ろ過バクテリアが定着する素材」であればなんでも結構です。もちろん向き不向きはあります。まずろ過バクテリアが定着するためには「多孔質」であることが理想とされています。表面がつるつるだと、ろ過バクテリアが定着しにくい上、穴ぼこだらけの素材に比べると表面積が小さくなってしまうので、十分な濾過力が発揮されにくいんです。そのため、穴ぼこだらけの「多孔質」のものを底床に選べばバクテリアが定着しやすい環境が作られる(=ろ材として使用できる)というわけです。
では、他のフィルターを使用しても底床がろ材になるのでは?と思った方もいるかもしれませんが、他のろ過フィルターのときでも底床はバクテリアの住処になっています。ただし、底面フィルターほど通水性が良くないので、どちらかというと嫌気性細菌も繁殖するような環境になってしまいます。というのも、他のフィルターを使用した場合の底床は「水が流れていない(止水域)」となっているためです。つまりは「酸素の供給」がなされず、「嫌気性細菌」が繁殖する環境となってしまっているため、むしろ水槽内の環境にとっては悪影響をおよぼすことさえ考えられます。底面フィルターの場合には「底床内につねに水流が発生する仕組み」になっているため、底床をろ材として使用できるということです。
当然、バクテリアが住む場所が多ければ多いほど濾過力は上がります。この底面フィルターは底床すべてをろ材とするため、単純にろ材の量が他のフィルターと比べ物にならないほどの量になります。結果、濾過力も他のフィルターに比べると高いと言われる事が多いです。
もちろん、生物ろ過力の優劣はろ材の量だけできまるわけではありません。「酸素が供給されていること」というものも重要な指標となりますが、これも底面フィルターは満たしたフィルターといえます。
底面フィルターを使用する際に、水流を発生させる方法は複数ありますが、普通は「エアレーション」を使用します。「ぶくぶく」といったほうがわかりやすいでしょうか。エアレーションで水流を発生させる場合、エアレーションをつけ続けているために、水槽内の酸素量が不足することが起こりません。そのため十分な酸素が水槽内に供給可能で、好気性細菌が繁殖しやすい水槽環境になります。
底面フィルターは、エアーポンプを使用して水流を作ることが一般的ですが、他のフィルターとの連結や「水中ポンプ」のように酸素を取り込まない器具を使用して水流を作ることも可能です。もしこの方法を使用する場合には酸素量には気をつける必要があるので注意してください。
ほとんどのサイトの記事では「底面フィルター=ろ過力が高い」というもので説明が終わっていますが、実際に底面フィルターが圧倒的に他のフィルターよりも優位だなと思うのはここです。外部フィルターや外掛けフィルターのような、底面フィルター以外のフィルターでは、底床内に水流は発生しませんので、底床内は酸素が供給されない止水域となり、有害物質を発生させる嫌気性細菌のたまり場となってしまいます。しかし底面フィルターの場合、底床内に水流を作るため、止水域ができにくく、嫌気性細菌の繁殖が抑えられ、その結果有害物質の発生も抑えられます。つまり、底面フィルターは「ろ過力が高く」「有害物質の発生が少ない」水槽環境を作るフィルターといえます。
底床付近から有害物質が発生してしまうと、底床付近に生きる生き物に特に影響が出てしまいます。エビ・ビーシュリンプや、コリドラスのように底床付近で生息するような生体の場合、それは致命的になる可能性があります。また、ビーシュリンプは特に水質の変化に敏感ですので、そのリスクを回避する意味でもこの「底面フィルター」が使用されます。さらに、底床付近の流れが淀んだ止水域にはよく黒髭苔という最悪の苔が発生します。底面フィルターであれば、底床に止水域ができにくいため、こういった止水域付近で発生するようなコケ対策としても有効といえます。
ただし、糞などのゴミも底床にたまっていきますので、こまめなメンテナンスが必要になります。
「本体」と「エアーポンプ」、「底床」のコストで導入可能です。水槽サイズ、選ぶ製品、底床の種類によりますが、だいたいエアーポンプが1000円程度、底床が500円程度、本体が500円程度ですので、2000〜3000円程度で購入可能です。これは「外部フィルター」にくらべると半分以下のコストです。単純に価格のみということであれば「外掛けフィルター」「投げ込みフィルター」「スポンジフィルター」にはかないませんが、濾過力とのコストパフォーマンスで考えれば圧倒的に底面フィルターが有利となるはずです。シュリンプ水槽でよく使用されます。
底面フィルターは底床側に水が吸い込まれますので、他のフィルターのように吸水口がなく、そこに吸い込まれるという事故が起こりにくいろ過フィルターです。そのため、稚魚のようにろ過フィルターに巻き込まれやすい生体飼育には最適です。
上部式フィルターのように水槽上部に設置するフィルターの場合、照明の設置が水槽の半分だけになってしまいます。この底面フィルターは水槽内に設置するフィルターのため、照明とバッティングしませんので、照明を多く設置し水槽内を明るくすることが可能です。
底面フィルターは水槽内に設置するため、他のフィルターとバッティングしません。そのため、外部フィルターや外掛けフィルターと連結する、などいろいろなカスタマイズ方法があります。一般的には底面フィルターはエアーポンプとセットになりますので、どうあっても水面に泡が弾ける音が出ます。ワンルームや寝室などに水槽を設置する場合、その音が気になることがあるかと思います。音は気になるが、ろ過力は出来る限り落としたくないという場合、水中ポンプや外掛け式や外部フィルターと連結することで、底床をろ材としつつ、水流を起こすことが可能です。
他のフィルターと連結するこの方法は、酸素の共有には気をつける必要はありますが、静音性を高めることが可能で、また、エアーポンプを使用する方法と同様に、底床を止水域としないため、底床付近から発生する有害物質の減少が期待できます。ただし、外部フィルターであれば水流も十分起こせますが、外掛けフィルター程度であれば水を吸い上げる力が弱めですので、使用には検証は必要かもしれません。
底床の下に設置するろ過フィルターですので、根を張るタイプの水草との相性が悪いです。通水性を確保しなければならないため、あまり分厚く底床を敷くことができず、水草が植えにくいです。また育成を行えたとしても、根を張るため、下のフィルターと絡んでしまい、抜き差しがしにくくなる上、これも通水性を阻害する要因になってしまいます。さらに、水草が多いしげると底床の掃除が困難となり、底面フィルターのメリットを活かすことができません。また、難易度の高い水草を育成するのであれば、栄養が豊富な底床を選ぶ必要がありますが、底床内に水流が流れているため栄養素も流れ出してしまい水中に大量の栄養が流出されてしまいます。その結果、ソイルの中に栄養素を留めることができず、短い期間で栄養不足になる上、水槽内が富栄養状態になってしまい苔発生の原因になってしまいます。また、底面フィルターで最も一般的なエアーリフト式の場合CO2が水中外に逃げてしまうため、CO2を必要とする水草の育成が困難です。上記のような理由から、水草水槽を行うにあたってはこの底面フィルターを選択するメリットが少ないです。
ただし、アヌビアス・ナナやミクロソリウムなど、根を張らず、葉から養分を吸収し、CO2添加を必要としないタイプの陰性植物であれば育成可能です。
底面フィルターは物理ろ過も底床が担いますので、糞や葉などのゴミも底床に溜まっていくことになります。しかし、それらがあると底面ろ過がうまく機能しなくなるため、定期的にこれを掃除してきれいにしてやる必要があります。他のフィルターであれば、ろ材を取り出して洗うなり、取り替えて終わりなのですが、底面フィルターは底床がろ材ですので取り出すことができません。そのため、水換え時にプロホースというポンプで水を吸い上げると同時に、底床をプロホースで掘り返して水と一緒にゴミを吸い上げる必要があります。これは底床を敷いている水槽であれば発生する手間ではありますが、底面フィルターでは死活問題となるため、この底床の汚れには気を使う必要があります。
この記事を読んでもらえれば特徴、設置方法は問題ないかと思いますが、フィルターの中でもわかりにくい部類のフィルターです。僕自身、実際に使ってみるまでよくわかりませんでしたし、記事を書いていて思いますが、説明がなかなか面倒です。
また、上に敷く底床の種類や量によって濾過力が異なってしまいますので、外掛け式や外部フィルターのように、設置すればだれでも同じろ過力とならないこともあります。例えば、上に敷く底床はなんでもいいわけではなく、通水性が必要なためある程度の大きさが必要となり、バクテリア繁殖のために多孔質であることが理想とされています。また、分厚く敷きすぎると、それも通水性が阻害されるため、うまくろ過を機能させることができません。そのため敷く底床を間違えると、濾過がうまく機能せず、逆に硫化水素のような水槽に有毒なものを生産する嫌気性細菌が繁殖してしまい、水槽環境に悪影響を与えてしまう可能性があります。
詳しくは後述しますが、底面フィルターの上に敷ける底床には条件があります。例えば水槽の雰囲気を明るくするために「スドーボトムサンド」のような真っ白い細かい砂でレイアウトしたいと考えたとしても、底面フィルターは細かすぎる砂は底面フィルター内に落ちていってしまい、通水性を阻害してしまうため設置はできません。また、栄養がたくさんふくまれている栄養系ソイルも、栄養が水槽内に拡散してしまい、苔が大量発生してしまうため不向きです。このように、底床に向き不向きがあり、自分の求める水槽のイメージによっては底面フィルターは不適切であることもあります。
底面フィルターは底床に埋めて使用しますので、一度埋めてしまうと水槽内のレイアウトを崩さずに取り出すことが困難です。そのため、例えば底面フィルターの場所を変更したい、となったとしても、なかなか困難です。また、底床内に埋まっているため、もし途中で底面フィルター内に砂利などが入り込み、通水性を阻害していたとしても見た目からの判断がむずかしく、確認するためには取り出すしかありません。もし取り出すとなると、ほぼリセットの作業になってしまうため、導入前にはメリットデメリットをしっかり確認し、水槽に入れるか入れないかを判断する必要があります。
これはメリットともデメリットとも言えるのですが、底面フィルターはエアレーションのぶくぶくによって起こる揚力によって水流を生み出しますので、水流が弱いです。そのため、もし水流を作りたいのであれば、他のフィルターとの連結、という方法となりますので、それならば他のフィルター方式を選択したほうがいいかと思います。
ビーシュリンプ飼育水槽でよく使用されます。先述しましたが、通常のフィルター方式では「底床」に止水域ができてしまうため、有害物質発生の温床になる可能性があります。しかし、この底面フィルターの場合には底床が止水域になりずらく、濾過バクテリアが繁殖し、無害化する場所となるため、底床付近で生息するビーシュリンプ水槽に最適なフィルター方式と言えます。底面フィルターが最も選択されやすい水槽となります。また、底面フィルターは他のフィルター方式よりも、吸い込み事故が起こりにくいフィルターですので、小さい生き物が誤って巻き込まれる心配がありません。
稚魚のような水質の変化に敏感で、小さい熱帯魚を飼育するのであれば、底面フィルターは最適です。他のフィルターのように吸い込む恐れがないため、小さい稚魚でも安心して飼育可能です。
30cm程度の小型水槽となると、選択肢はこの「底面フィルター」か「投げ込みフィルター」「外掛けフィルター」が候補となります。
その中から、ろ過力が必要なら「底面」を。静音性や水流が必要なら「外掛けフィルター」を。安価に始めたいなら「投げ込みフィルター」を。といったように選んでいくことになります。
コリドラスやローチ系など底床付近を生活域にしている熱帯魚・生体の場合、底床付近からでる有害物質の影響をもろにうけてしまうため、底床自体を出来る限りクリーンな環境に保つ必要があります。他のフィルター方式では底床は止水域となりますので、嫌気性細菌が発生し、有害物質がでてきます。底面フィルターであれば、底床内に通水性が保たれるため、比較的悪影響をうけずらくなります。
「高い濾過力+有害物質発生の減少」が期待できる底面フィルターは、水質の変化に敏感な熱帯魚を飼育するのであれば出来る限り使用したいフィルターです。ネオンテトラやグッピーほど強靭な熱帯魚であれば底面を入れる必要もありませんが、多少マニアックな水質に敏感な熱帯魚をしいくするのであれば、底面フィルターは比較的候補に上がりやすいフィルター方式と言えます。
メダカ、ベタなど、水流が苦手な熱帯魚は強い水流がある環境だと、泳ぎが得意ではありませんので体力を消耗してしまいます。この底面フィルターは流れが非常にゆるやかですので、このような熱帯魚飼育にもうってつけな水槽ろ過フィルターです。
底面フィルターは水草の育成には不向きです。エアレーションによってCO2が水中から逃げてしまう上、水草の根っこが底面フィルターと絡んでしまい、通水性を阻害してしまい、ろ過力が低下してしまう可能性があります。また、ソイルの中の栄養素も水流に乗って水中に待ってしまいますので、苔発生の原因となってしまいます。
ネオンテトラ、グッピー、金魚など水質にあまり敏感ではない種類の熱帯魚を入れる場合にはあまり候補に入れる必要がありません。これらの生体はろ過力を底まで求めませんので、小型水槽なら外掛けフィルター、投げ込みフィルター、スポンジフィルターの選択で構いません。
底面フィルターは水流があまり強く出せません。ネオンテトラ、カージナルテトラなど群泳するような熱帯魚に多いのですが、もともとの生息域が川など流れのある場所の熱帯魚の場合には、水流があったほうがその熱帯魚本来の姿を楽しむことが可能です。ネオンテトラ、カージナルテトラを入れるのであれば「群泳」を楽しみたいところですが、基本的に水流に向かって泳ぎますので、水流を出してあげたほうが確率が上がります。
逆にメダカや金魚、ベタなどは水流を好みませんので、外掛けフィルターでは水流が強すぎるということであれば底面フィルターか投げ込みフィルターなどが候補となります。(外掛けフィルターであっても製品によっては水流調整機能がありますので、メダカ、ベタ、金魚の飼育は問題ないことも多いです)
底面フィルターは底床すべてがろ材となるため、ろ材の掃除となるとそれなりに手間がかかります。そのため、個人の気合次第ですが60cm程度が限界となり、90cm以上のサイズの水槽葉の導入はそれなりに覚悟のいる作業となるかと思います。
(ちなみに、底面フィルターは商品をパズルのようにつなげて使用することができるため、60cm水槽用と30cm水槽用の底面フィルターを購入すれば、それをつなぎあわせることで対応可能です。)
底面フィルターはエアーポンプを使って水流を作る、というのを前提として話してきましたが、実は他にもいくつか方法があります。ただし、製品は基本的にエアーポンプを使用することを想定して販売されていますし、このサイトでもそれを推奨します。一応他の方式も記載しておきますが、わざわざ他の方式を選択するメリットはそこまで大きくありません。
吸い込み式とは、上記の画像のように底床側から水を吸い込んで、底面フィルターの上部から排水する方式のことをいいます。下から吸い込んで上に上げるために、上に向かって水流を作る必要がありますが、方法は「エアーポンプを使用する」「水中ポンプを使用する」「他のフィルターと直結する」3つです。
その代表的な方法として「エアーポンプを使用する」という方法があります。特に強いこだわりがない場合にはこの方法で問題ありません。各底面フィルター製品も、最初からエアーポンプの使用を想定してエアーポンプ用の接続口を設けています。つまりはこれが最も一般的な方法です。これを「エアリフト式」と呼んでいます。
個人的にはおすすめしませんが、他の方式を選択する場合には、ある程度知識がついてきたときとした方がいいかと思います。むしろ一般的な生体を飼育するならこれだけ知っておいても問題は出ないと思います。
※初心者非推奨
水中フィルターと呼ばれる「水流を発生させる装置」が販売されています。あまり一般的なものではないのですが、チャームなどでも販売されています。基本的には水流を好むような熱帯魚を飼育するときに使用する器具ですが、これを底面フィルターと繋げば底面ろ過として機能します。
泡を発生させないため静音性は向上しますが、水中ポンプのモーター音がするのと、エアレーションをしないため酸素量が低下してしまうデメリットがあります。さらに水中ポンプは水槽内に設置するものが多く、水槽内で悪目立ちしてしまいます。
※初心者非推奨
外部フィルターとの直結させることで水流を発生させる方法です。外部フィルターの吸水口を底面フィルターのパイプ部分と連結させます。そうすれば外部フィルターの濾過槽と、底面フィルターの底床が生物ろ過を担当しますので生物ろ材量が増加します。ただし、この場合、底床側から水を吸い込むことになるため、底床が物理ろ過を担当します。そうなると外部フィルター内の物理ろ材は意味がなくなりますので、生物ろ材のみの構成をおすすめします。
※初心者非推奨
吹き上げ式は、吸い込み式とは逆に、底面フィルターのポンプ部分から底床に向かって水流を作り、底床から水を排出する方式のことです。この方式を選ぶ人のほとんどがこの理由になると思いますが、一番のメリットは「物理濾過機能を他のフィルターに担当させることができる」ということです。底面フィルターのデメリットの一つに「底床にゴミが溜まるので掃除が面倒」というものがありますが、この方式の場合、物理濾過機能は別のフィルターに担当させることができるので、底面フィルターの手間を削減できるかも?というものです。
個人的にはこの方式は上部式フィルターとの直結のみ効果がありそうな方法かなと感じます。上部式フィルターはもともと「物理ろ過力に優れており」「酸素を溶け込ませやすい構造」をもっていますので、底面フィルター側の汚れは理論上減少するはずですし、直結式のデメリットである「酸素量の低下」がおこりずらくなるのでは?と思っています。(あくまで予想です)
また、外部フィルターの場合ですが、外部フィルターでの運用を経験した方ならわかると思いますが、外部フィルターを使用したところで、普通に底床にゴミが溜まりますし、酸素と触れ合うことがない構造になっているため、酸素量の不足から底面ろ過がうまく機能しないケースも出てくるのでは、と思っています。そのため、どちらにせよ底床側のメンテナンスが必要となり、あまりメリットが出てこないかもしれません。(これも予想です)
ここでは底面フィルターでおすすめな製品を紹介します。構造自体が非常にシンプルなものですので、各メーカーから出ている製品ごとに極端な違いはありませんが、人気の商品というものはありますので、代表的な3つのシリーズをご紹介します。
今回紹介する商品にはあまり違いはあまりありません。すべて「水流が流れるための箱があり」「そこからパイプがでていて」「そのパイプにはエアレーションを接続する場所がある」。これだけのものです。違いがあるとすれば、箱に開いている「穴の大きさ」「箱のサイズ」「パイプの太さ・色」とかそれくらいです。ボトムボックスだけは、箱の下に蓋がついています。
定番中の定番、ニッソーから発売されているバイオフィルターシリーズです。かなり昔からだされているシリーズで、安く、信頼感があり人気が高い商品です。後ほど、底面フィルターの組み立て方を紹介しますが、その際に購入しているのはこちらのシリーズになります。
ニッソー 新バイオフィルター30
ニッソー
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今回の記事で使用するフィルターはこちらを選択しました。
※記事更新時点の情報です。現時点の情報と異なる場合がございますのでご注意ください。
ニッソー 新バイオフィルター60
ニッソー
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こちらも超定番です。ニッソーに比べ穴の大きさが大きく、通水性を上げています。
ジェックス マルチベースフィルターS
ジェックス
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ジェックス マルチベースフィルターL
ジェックス
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こちらも有名です。他の製品は下になる面には蓋がないのですが、これは蓋がついていますので、底床の侵入経路を減らすことができます。
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底面フィルター本体を購入しただけでは機能しません。その他に「水流を発生させる装置」が必要になります。先述したとおり、水流を発生させる方法はいくつかあるものの、一番一般的なのは「エアーポンプ(エアレーション)を使うこと」です。QUBEでもこれを推奨します。他の方法は知識がついてからで十分です。ここではエアーポンプを使用したエアリフト式に必要なものを記載します。
圧倒的に有名なのは「水心」シリーズです。空気量調整機能付きですのでこれが一番おすすめです。というかこれ以外にいい製品がない。。。
エアレーションのチューブが何かの拍子に外れてしまうと、水槽の水がサイフォンの原理で逆流して床を水浸しにします。それを防止する道具です。
逆流防止弁とエアレーションをつなげるために必要です。水槽やるならもっておけばいつか使います。
規格などあるので、セットで購入したほうが手っ取り早いです。
いぶきエアストーン 直径23×60 + SSPP-3S+逆止弁+キスゴム×3+チューブ3m 45~60cm水槽用エアーポンプ
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底面フィルターには向いている底床と向いてない底床が存在します。ここでは各底床ごとの向き不向きとその理由を記載していきます。
底面フィルターの本体には水を通すための穴が空いていますので、この大きさよりも小さいと底面フィルター内部に底床がこぼれ落ち、通水性が阻害されてしまいます。また粒が細かすぎると底床自体の通水性もなくなってしまいますのである程度の大きさがあったほうがいいということです。あまり大きすぎると見栄えがよくありませんので、大きすぎず、小さすぎない粒をもつ底床が理想とされます。
上記に当てはまるものであれば、どんな底床も基本的には使用可能です。ようは、底面フィルター内にこぼれ落ちない程度の大きさで、通水性が保たれ、バクテリアが繁殖しやすければいいわけです。
ストーンディーラーシンセー 大磯 中目 3kg [その他]
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底面フィルターの定番といえばこの「大磯砂」がまっさきに上がってきます。粒の大きさもある程度あり、大きさや形がまちまちで通水性が保たれ、さらに何回洗っても崩れないというまさに底面フィルターに最適な底床です。粒の大きさは細目、中目など様々ありますので底面フィルタの穴のサイズに合わせて購入してください。もし穴に比べて小さすぎたとしても、底面フィルターの上に網などをかければ上に載せることが可能です。
ただし、デメリットも有り、それが水質を「アルカリ性に」寄せてしまう可能性があるということです。大磯砂は磯で取れる砂、つまりは海の砂利なので「貝殻」などがふくまれている可能性があります。貝殻は水質をアルカリ性に寄せてしまうため、弱酸性を好む熱帯魚や水草では飼育・育成に不向きとされることがあります。
そのため、アルカリ性によせてしまう性質をなくすために行われるのが「酸処理」という処理なのですが、これは結構手間がかかります。そのため、大磯砂を入れる場合には弱アルカリ性環境下でも飼育・育成できるものを育てるのが無難かと思います。
ジュン (JUN) プラチナソイル ブラックタイプ パウダー 8リットル
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ソイルとは土を球状に焼き固めたもので、水草育成によく使用されます。ソイルの中でも栄養をふんだんに含んだ「栄養系ソイル」と栄養を少なくしている「吸着系ソイル」の2種類に大まかにわけられます。「栄養系ソイル」だと、底面フィルターの水流に流されて栄養が水槽内に放出されてしまい、苔発生の原因となるため不向きです。吸着系ソイルであれば、栄養系ソイルとはことなり、有害物質を吸着してくれるソイルですので、素早い水槽の立ち上げと、底面ろ過力の向上に一役買ってくれます。
そういったことから、「エビ・シュリンプ水槽」には定番として使用されています。
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多孔質で粒の大きさも条件を満たしているため、こちらも問題なく使用可能です。注意したいのは、溶岩石はかなり角が尖っている底床です。そのため手で洗う場合や、コリドラスなどの底物系の熱帯魚を飼育する場合には怪我に注意してください。
セラミック系の底床でも底面フィルターは使用可能です。ただし商品自体も豊富にあるわけではありませんので、これが選択肢に上がることはあまりありません。
大磯砂以外の砂利系底床でも条件さえ満たしていれば問題なく使用可能です。
一般的に使用される砂利が「大磯砂」というだけで、他でも問題ありませんので各砂利のメリットデメリットを調べて使用を検討してみてください。
人気の高い底床の一つに「真っ白な砂」がありますが、基本的にこういった真っ白な砂は粒が細かく、底面フィルター内に落下してしまうため設置することはできません。完全にろ過エリアと砂エリアを分けて配置すればなんとかなるかもしれませんが、底面フィルターは底床をプロホースで吸い上げて掃除しますので、掃除の際に砂が混ざってしまいます。一度、砂とろ過用底床が混ざってしまうと、分けるのが困難ですので、おすすめできません。
栄養系のソイルは栄養素が水流に乗って水中に流れてしまうため底面フィルターには不向きです。使用するなら「吸着系ソイル」を使用してください。
ここでは実際に底面フィルターを使って小型水槽を立ち上げましたので、底面フィルターの設置方法を実際の商品を使用して写真つきで説明していきます。
今回は底面フィルターの代表格「ニッソーバイオフィルター30」を使用します。
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底面フィルターの大定番「大磯砂」を使用します。今回は5mm程度の大きさの中目サイズを選択しましたが、網を敷くことなく使用できました。
30cm水槽であれば3kgあればぴったりです。
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GEXのレグラスシリーズを購入。安くて接合部分も値段の割にしっかりしてます。
エアーポンプといえば「水心」シリーズです。これ以外買ったことありません。吐出量を調整できますので便利です。
また、以下のセットは細かい気泡をだすことで評判のいいいぶきエアストーン付きです。
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意外と知られていない事実ですが、底面フィルターとエアーポンプを繋ぐ場合には「水面より上に設置する」ことが推奨されています。その理由はもし何かの拍子にエアーポンプのチューブが外れたらサイフォンの原理で水が漏れてくるからです。水面よりも上に設置なんてできないので、この逆流防止弁を使用して、もしエアーポンプからチューブが外れても水が逆流しないようにします。僕は昔60cm水槽の半分の水がこの原理のお陰で床に流出し、会社から帰ってきたときに絶望しました。水漏れが怖い人は必ず買ってください。また、逆流防止弁は水面より上への設置が推奨されています。
※上に記載したエアレーションセットの中に入っています。
逆流防止弁とエアーポンプをつなぐためにちょっとだけ必要です。水槽やるなら持っておけばいつか使います。
※上に記載したエアレーションセットの中に入っています。
水槽を水槽台の上に設置してください。水槽の下には必ず専用の水槽マットを敷いてください。
今回購入したのは底面フィルター代表格の「ニッソー バイオフィルター30」です。基本的にはどの製品も組み立て方、仕組みは代わりありません。
底面フィルターを水槽内のどこに設置するか決めてください。僕の場合は向かって右奥が壁になるので、底面フィルターのパイプが一番右奥になるように設置することにしました。どこに設置してもいいですが、一度水槽を運用開始すると後々変更が難しいので色々検討して決めてください。
※外掛けフィルターや外部フィルターと連結する場合には接続できるスペースがあるかも確認してください。
Oリングとよばれるゴムの輪っかを取り付けてください。長さを調節するためのものです。あとから変更できますので、だいたいの水槽の高さに合わせて取り付ければOKです。
直角に曲がったパーツとに穴があいていますので、エアレーションのチューブとエアストーン(空気が出てくるところ)を上記のようにつないでください。エアストーンとチューブはねじ込めば接続できます。固い場合にはチューブにお湯をかけるとゆるくなります。
直角に曲がったパーツと先ほどOリングを付けたパーツを接続してください。ちょっと硬いですがねじ込んでください。
丸い土台のようなパーツがありますので、それをパイプに取り付けてください。
バイオフィルターの本体には両側に2つ丸いパイプ接続箇所がありますが、最初は塞がっています。そのため、接続する場所を決めたらその位置の丸い接続部のパーツおしこんで切り取ってください。プラモのパーツと同じ要領ではずれます。
そして先程組み立てたパイプを本体の接続部につなげてください。回せば固定されます。
底面フィルターを水槽内に配置してください。
エアーポンプと繋ぐ場合には必ず「逆流防止弁」を間に挟むようにしてください。この逆流防止弁がないとエアーポンプのチューブがなにかの拍子にハズレた場合に、水がサイフォンの原理で逆流してきます。過去、その被害にあって床一面が水浸しになったので、僕はかならずこれをしっかり差し込むようにしています。やすいのでぜひ買っておいてください。もしこれを噛ませないのであれば、かならずエアーポンプを水面よりも上に設置するようにしてください。また、逆流防止弁は水面より上への設置が推奨されています。
逆流防止弁には「IN」(空気が入ってくる)と「OUT」(空気がでていく)があります。白い装置が付いている側をエアーポンプ側にしてください。
必ず商品の説明を確認して接続してください。
エアーポンプと底面フィルターを接続してください。
大磯砂を袋からバケツに開け、お米を研ぐ要領で水道水で洗ってください。濁りが消えたらOKです。
バイオフィルターのいいところは本体に開いている穴が小さいことです。これならこのまま大磯砂を配置しても底面フィルター内に砂が落下する心配もありません。一部製品では穴が大きかったりするので、そういう場合には底面フィルターの上に網などを敷いてその上に底床をおいてください。
大磯砂を敷くときにこういう水切りスコップがあると便利です。水が切れる上、最後に底床を平らにするのにも役立ちます。
厚みは3cm〜5cm程度が理想です。30cm水槽であれば3kg全部入れれば上記の感じになりちょうどいいです。
水を入れる時バケツをひっくり返すと底面フィルターがずれたり、底床が崩れたり、濁りがまったりしますので、小さめの入れ物などでゆっくり注ぐようにしてください。
水をギリギリまで入れてしまうと、手を突っ込んだときや自身の際に水漏れしてしまいますので、多くとも水槽の上部3cm程度下までとしてください。また、底面フィルターのパイプは水面の下になるように設置してください。
ここでは4in1という製品を入れます。これで塩素や有害物質が無害化されます。
エアーポンプのスイッチを入れてください。水流が流れていれば設置完了です。
あとは1週間ほどこのまま水槽を放置しておけば水槽の立ち上げが完了します。そのあと熱帯魚などを入れてください。
水作 プロホース エクストラ M
水作
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参考価格:
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このプロホースという道具を使います。この道具のパイプを水の中に沈め、上のポンプを何回かプッシュするとサイフォンの原理を利用して水を汲み上げ、バケツに流し込むという道具です。アクアリウムをやるのであれば必須な道具です。水換えに使用するものですが、このプロホースを底床に突き刺して水を吸い続けることで、水と一緒にゴミも排水してしまう方法です。
プロホースの排水口側をバケツに固定してください。通常プロホースを購入すれば固定具も付属されています。
※ソイルなど崩れやすい底床を使用している場合には粒が崩れ、水の濁りの原因となりますので注意してください。
これで終了です。お疲れ様でした!
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