ここでは水槽に設置するろ過装置・フィルターの濾過槽の中に入れる濾材(ろ材)について書いていきます。ろ材はフィルターに生物ろ過、物理ろ過、化学ろ過の機能を持たせるために入れる素材のことです。どのようなろ材を、どのような順番で、どのような量入れればいいかを考えていきたいと思います。各ろ材、おすすめの商品も記載しておきますので、フィルターを購入した方はぜひ参考にしてください。
※これはアクアリウムされている人それぞれ考え方があると思いますが、ここではQUBE運営側で話し合った結果を記載しておきます。
水草水槽や熱帯魚水槽では、日々水が汚れていきます。それを防ぐためには「フィルター(ろ過装置)」という機器を水槽に設置し、水を濾過し、有害物質を無害化したり、枯れ葉などのゴミを濾しとったりする仕組みを設置する必要があります。
フィルターには外部式や外掛け式、上部式など、ろいろと種類があるのですが、どのフィルターでも基本的な導入目的は同じで以下の3つに集約されます。
上記3つの役割を実現するために考えだされたのが、8種類ほどあるフィルター方式になるわけです。
フィルター、ろ過、ろ材に関しては以下の記事もありますので興味があれば見ていってください。
では、続いてフィルター本体の仕組みを見て行きましょう。
どのフィルターでも本体の仕組みは単純で、「水を吸い込み」「濾過槽(ろ材)を通過させ」「水槽内に排水する」というだけのものです。
この濾過槽に、ろ過の役割をもたせるために入れなければならない素材のことを「ろ材」と呼んでいます。ろ材には役割ごとに以下の3種類に分類されます。
この「濾過槽」にどういった「ろ材」をどれくらいの配分で、どれくらいの量を入れるかによって、フィルターの能力というのが変わってきます。
極端な話、濾過槽に「物理ろ材」を入れずに「生物ろ材」だけ、という構成にした場合、物理濾過機能をほぼもたないフィルターになってしまいますし、逆に「物理ろ材」のみ入れると、生物ろ過が極端に弱いフィルターになってしまいます。
まとめると、「ろ材」とはフィルターに「生物ろ過」「物理ろ過」「化学ろ過」の機能をもたせるための素材で、「濾過槽」にどんな「ろ材」をどれだけの配分でどういった順序で入れるかによってフィルターの能力が変わります。
フィルターの役割を3つ記載しましたが、最も重要なのは間違いなく「生物ろ過」です。
生物ろ過能力の向上は
など、水槽に多大なメリットをもたらします。
フィルターがどんなに高くても、ろ材自体がダメではせっかくのフィルターが台無しになってしまいます。
物理ろ材、化学ろ材はあくまでも補助的なもので、メインはやはり生物ろ材です。
どのろ材も一緒、という意見をみたりしますが、これは違うんじゃないかなと思います。同じセラミック素材でも、当然製品によって孔が多いものと少ないものが存在します。リング状の製品が数種類出ていれば当然違いがありますし、実際によく使われる商品と使われない商品が存在します。
リング状の場合、中央に穴が空いているため、大きめのゴミが侵入してきても目詰りを起こしにくい構造と言えます。目詰りを起こしにくいため、物理ろ材に神経質になる必要がなく、物理ろ材スペースがあまり必要になりませんので、単純に生物ろ材容量を増やすことが可能です。「見た目」の表面積はボール状に比べ大きいです。
また、通水性が高いため、物理ろ材としても使用可能な商品もあります。
ボール状のものはリング状のように中央に大きな穴が空いているわけではありませんので、比較的目詰りをおこしやすい構造です。
表面積はリング状に劣るように見えますが、注意して欲しいのはボール内部にも細かい孔が空いている商品の場合、ボール内部でもバクテリアが繁殖します。
つまり、ボール内部でもバクテリアが繁殖できるろ材の場合、濾過槽内のろ材密度が高いボール状ろ材のほうがバクテリア繁殖量は多くなると言えます。
主に素材はスポンジであることが多いです。物理ろ材を兼ねる事が多く、その場合、上記のボール状ろ材やリング状ろ材のような生物ろ過特化型のろ材ではありません。
立ち上げ初期の「ゴミが多くでる、かつ生物ろ過を作りたい」時期に使用されることがあります。
セラミック素材は生物ろ材の中で最も使用されている素材です。多孔質でバクテリアの定着がおこりやすく、ろ材として長年使用されている素材になります。
ただ、セラミック、といっても製造方法や材質は様々で、微細な孔の量の数はもちろん、その製品によっては水質に影響を与える可能性があるので注意が必要です。
それに対し、ガラスろ材は水質に対し影響を与えにくいのがメリットです。ただ、耐久性がセラミックよりも低いというデメリットが有ります。
これが生物ろ材として使用される場合は、多くの場合物理ろ材を兼ねています。ただ、上記に上げた「リング状」や「ボール状」とは異なり、密度が低いため、バクテリアの繁殖は生物特化型のろ材よりも劣るという考えが一般的です。
バクテリアが住める場所が多ければ多いほど、生物濾過能力の向上が期待できます。それが多いか少ないかは見た目で判断が難しいのですが、「ろ材に空いている穴の多さ」(多孔質か)が要因となります。
ろ材選びではよく「表面積」というワードが取り上げられます。ここで注意していただきたいのは、単純な見た目の表面積が問題では無いことに注意してください。
見た目上はリング型のほうが表面積は大きいのですが、ボール状ろ材の内部に細かい孔が空いている場合、そこでもバクテリアが定着可能です。
つまり、同じ孔の量の場合、体積から考えるとボール状ろ材が有利となります。
ただ、結局はそのろ材自体にどれだけ孔が空いているかを知らないと判断できませんので、各社だしているデータを元に推測するか、他のアクアリストの運用実績などを見て判断するしかありません。
形で濾過能力の優劣をつけることはできませんが、形によって最適な構成例が変わってきます。例えば、
結局は構成をしっかりすれば、どちらの形のろ材でも構いませんし、複数組み合わせることもあります。
形よりは製品自体の評価を重要視してください。
どんなに表面積が広くても、水の流れがない場所ではバクテリアは定着できません。水流が流れるということは「バクテリアが定着しやすい」といえるかと思います。
そのため、ろ材を詰め込むことで水流が流れなくなった場合は本末転倒です。
例えば丸い形のろ材を詰め込めば、ろ材とろ材の間に必ず隙間ができるはずですし、リング状になっているろ材であれば、リングの中が水の通り道になります。
ただ、丸い形のほうが間にできる隙間が少ないので、目詰りを起こさないように、丸いろ材を通過する前により丁寧にゴミをあらかた取り除いておく必要があります。
とはいっても、基本的に市販されているろ材で、適切な構成にすれば、こちらはクリアしている商品ばかりですのであまり気にしなくてもいいかもしれません。
マニアックな話ですが、ろ材を自作するとか、オリジナルのろ材を入れる場合にはこの点に注意してください。
製品によってはミネラルを添加するものや、ph値を変動させてしまうものがあります。例えばチャームで販売されている「グラスリング α」の注意書きを見ると、「※ろ材の影響でPHが若干上がることがございます。」という注意書きがあります。
水草水槽であれば、水草が育成しやすい低めのph値(弱酸性)が基本です。このろ材を使用すると、どれくらい変動させるかは不明ですがph値が上がってしまう可能性があるようです。もちろん、飼育する熱帯魚によってはph値を上げたほうが良い場合もあるため、要は目的に応じた使い分けが必要ではないかと思います。
もろいろ材だと割れることがあります。割れやすいろ材だと、破片や細かいゴミが水流にのって、水を汚してしまう上、割れた破片がフィルターを壊してしまう可能性があるので注意が必要です。
ろ材自体にpHを特定の範囲内で維持する機能を持つ高性能ろ材です。
ソフトタイプは水酸化物イオンを吸着すると共に水素イオンを放出することで、水質を微酸性に保ちます。
形はリング状です。ろ材の中で最もアクアリストから信頼されているろ材ではないでしょうか。
制作元の太平洋セメントは、セメント業界最大手の企業です。アクアリウムが専門ではないものの、建設資材などの専門家ですので、ろ材に関してもしっかりとした研究がなされています。太平洋セメント社のサイトではパワーハウスがどれほど細かい孔が空いているかがデータで掲載されており、他のろ材よりも情報量が多く、信頼性も高いです。また、アクアリウムショップでの使用率も高く、更には鳥羽水族館で正式に採用されるろ材ですので、評判、実績、信頼性ともに、間違いなくプロが認める性能をもった商品であると言えます。
●パワーハウス製品解説
http://www.taiheiyo-cement.co.jp/service_product/powerhouse/intro/index.html
ソフトタイプであれば、ろ材自体にph値を下げる効果があるため、特に弱酸性に維持させたい水草水槽向きです。また、ハードタイプはpH降下抑制の性質を持っていますので、アルカリ性を好む大型の熱帯魚飼育に向いています。
有名アクアリウムショップのアクアフォレストでも店内POPでもパワーハウスゴリ押しでした。
デメリットとしては、高いことです(笑)
でも、最も有名な商品ですので、お金がある場合や失敗したくない場合はこちらを選んでおけば問題ありません。
性能の高さと耐久性に定評のあるエーハイム製の高性能ろ材です。水質には影響を与えない素材である為、底床や水質調整効果のあるろ材との組み合わせにより好みの水質を実現する事も可能です。
形はボール状です。
外部フィルターで有名なエーハイム社のボール状生物ろ材です。アクアリウム業界で長年信頼を得てきた企業が作っている商品で、当然ろ材に関しても多くのアクアリストから信頼を得ています。このろ材は球状になったろ材に多くの小さな穴が複雑に絡み合っているので、表面だけでなく内部にもバクテリアの定着が期待できる商品です。エーハイム社公式のろ材構成は、サブストラッププロの前に物理ろ材を2種類使用し、完全に物理的なゴミをボール状ろ材まで届かないようにする構成を推奨しています。これはボール状ろ材が構造上ゴミで目詰りを起こしやすいがゆえに事前に物理ろ過でゴミを丁寧に濾し取る必要が有るためと考えられます。
生物的ろ過のための基本ろ材です。生きたバクテリアが付着しているため、水槽セット初期のろ過の立ち上がりも良好です。多孔質の天然軽石がベースですので、微生物が定着しやすく、長期間安定したろ過を実現します。
世界的なアクアリウムメーカーADAが出している生物ろ材です。他のろ材と異なり、軽石がベースとなっている商品です。
こちらには最初からバクテリアが付着しているため、セット初期からバクテリアの早期定着が期待できます。
小型熱帯魚水槽の場合、基本的には数年単位で使用可能です。大型魚の場合はその熱帯魚により様々ですが、これも1,2年はもつはずです。
期間、というよりも以下の様な問題が発生してきた場合に買い替えを検討してください。
やすいろ材の場合耐久性が低い場合があります。ろ材が崩れてくると、破片がフィルターの内部で詰まったり、水流にろ材の破片が混ざってしまいます。
その場合はろ材の買い替えを検討してください。
製品によってはphを変動させるものがあります。ろ材によるphの上昇、下降効果は使用するとともに徐々に弱まります。
水草水槽ではソイルの力によってphを低く安定させることが可能ですので、これはろ材にわざわざ頼る必要もありません。
そのため、ph下降効果が弱まってきても、特に問題は起きないかと思います。
問題が起きるとすれば、phを上昇させる効果が弱まってきた場合です。
中型・大型魚飼育では、水質をアルカリ性(ph高め)で維持する必要があります。もしろ材のph上昇効果ありきでの水槽の場合は、ろ材の効力が切れればphの維持ができなくなりますので、その場合は買い替えを検討することになるかもしれません。ただ、ph値の上昇は別の方法での対処が一般的な方法ですので、ろ材を買い換えるほどの問題でも無いかもしれません。
物理ろ材の目的は水槽内に浮いている枯れ葉や熱帯魚のフンなどのゴミを濾し取ることです。
物理ろ材にもバクテリアが定着することもありますが、基本的な目的は「物理的にゴミを取り除く」ことで、バクテリアの定着による生物ろ過は補助的な機能ですので過度な期待はしないようにしてください。
おおまかに目の荒いものと目の細かいもの、の2種類あります。
基本的には「目の荒い」物理ろ材を先に設置し、その後「目の細かい」物理ろ材で細かいゴミを濾し取ります。
上記の「目の細かさ」と似てきますが、「スポンジ」タイプのろ材は「目が粗め」であることが特徴で、「ウールマット」タイプのろ材は「目が細かめ」であることが多いです。
こちらは消耗品で、そこまで価格に差が出ているわけではありませんの、コスパ重視でいいかなと思います。
各フィルタータイプ、各製品によって純正品というものがありますので、そちらを買っておけば間違いありません。ただ、間違って大きいのを買ってしまった場合は切り取って適切なサイズに変えればOKです。
※各製品対応する規格がありますので購入の際には水槽サイズ、使用しているフィルターを確認して下さい。
粗目フィルターパッド 2枚入 2213用(ろ材コンテナ専用)
着生したろ過バクテリアが汚れを分解します。
目の細かいパッドで、通常は薄めに使用して大きなゴミの越し取りに使用することが多いですが、厚めに使用するとある程度細かいごみを越し取らせることも可能です。
●ろ過層にあわせてカットして使える。●小さなフィルターにも最適
粗めフィルターパッドのように耐久性の高いものの場合、洗って使用すれば、1年程度使い続けることができます。
細目フィルターパッドの場合は、耐久性が低いため半年程度で交換を迎えます。細目フィルターパッドは最も目詰まりを起こす可能性が高い箇所ですので、早めの交換を行ったほうがいいかと思います。
大体半年程度使うと細目フィルターはこれくらい汚れます。細目フィルターは目詰まりを起こしやすいので定期的に新品に交換してしまって構いません。
ちなみに僕は半年に一度はフィルターの掃除を行いますが、物理ろ材系はすべて新品に変えています。
そこまで高いものではないですしね。
化学ろ材の目的は、流木のアクや水の黄ばみ、カビ臭など、生物ろ過では取りきれない汚れを吸着し、より透明で、匂いの少ない水にすることを目的としています。
また、商品によってはアンモニアを吸着する性質をもつため、水槽立ち上げ初期の生物ろ過がまだ完成していない時期に入れるといった生物ろ過の補助的な役割も担います。基本的にはアクは2カ月程度で収まりますし、その他は生物ろ過が完成すれば問題はなくなりますので、立ち上げ初期のみに使用します。
流木から出るアクや、水の黄ばみの原因を吸着してくれます。アンモニア、亜硝酸、硝酸などの吸着効果はありませんので、水槽セット初期の生物ろ過の代わりに、という使い方はできませんのでご注意を。ブラックホールという商品が有名で、アクや黄ばみなどを吸着する製品として有名です。
ブラックホールは水槽に入れる前に、先に水でゆすいでください。そのまま入れると水槽が汚れます。
火山岩が凝固してできたものです。製品によりますが、一般的な効果としては「アンモニアの吸着」「水槽水の軟水化」「黄ばみの吸着」などがあります。水槽立ち上げ初期の、まだ生物ろ過ができていない時に生物ろ過の補助として使用されることが多いです。
ただ、ゼオライトの限界値までアンモニアを吸着すると、吸着したものを逆に放出しだす時期が来るので、その見極めが必要です。ゼオライトの場合は塩水で洗う事で、吸着物質を吐き出させ、購入時に近い状態へ戻すことができ、再利用が可能です。
アンモニア吸着 内側のゼオライト部分がアンモニアを吸着
流木の色素やアクを吸着することに重点を置いた活性炭で、煮沸だけでは除去しきれない流木の色素を強力に除去し、60cm水槽で約3ヶ月間、透明感の高い水を維持します。
活性炭ろ材の場合、吸着能力が徐々に衰えていき、数カ月程度で吸着能力がなくなります。
この寿命は製品によりますが、ブラックホールという製品の場合は2ヶ月と試用期間が明記されています。
商品の説明書きに書いてあるはずですので、試用期間を確認してください。
ゼオライトの場合、活性炭と異なり洗えば再利用が可能です。
塩水で洗う事で、吸着物質を吐き出させ、購入時に近い状態へ戻すことができ、再利用が可能です。
水槽内にどのような生体が入っているか、水草を育てるかなどにより変わりますが、基本的な考え方は以下のとおりです。
水草水槽でも、熱帯魚水槽でも、大型魚水槽でもすべて「生物ろ過を高める」ところをメインの目的にしていいかと思います。
フンが多く出るから物理ろ材を多めに投入、という考え方よりは、フンが多く出るからこそ「生物ろ材」を多く投入して、有害物質を無害化する必要があります。
ろ過の基本的な考え方は、物理ろ材(粗め)、生物ろ材、物理ろ材(細目)、化学ろ材(水槽外への設置でも可)が基本です。
また、目が粗いろ材を先に、徐々に目の細かいろ材にしていってください。
何度も言いますが、フィルターでは「生物ろ過」が重要な役割を担います。生物ろ過に、濾過バクテリアを定着させたい場合は、水流が必ず必要です。
濾過バクテリアは、水流が滞ると死滅し、生物ろ過が機能しない可能性があります。いきなり細かい目のフィルターパッドを吸水直後に設置してしまうと、すぐに目詰りを起こすため、細かいものは最後の方に持ってきてください。通常、リング状ろ材やボール状ろ材などの生物ろ材は、細目フィルターパッドよりも通水性が高いため、細目フィルターパッドよりも前に持ってきます。最後の順番に物理ろ過を担当しない「化学ろ材」を入れればOKです。
これは外部フィルター、外掛けフィルター、上部フィルター等どのようなフィルタータイプでも同じです。
つまりまとめると、基本的な順番は以下のようになります。
化学ろ過は立ち上げ初期の2ヶ月程度しか使用しません。それ以降は化学ろ材の吸着力が弱まる上、水槽内も生物ろ過ができあがっているころですので、生物ろ過だけでろ過は十分です。つまり、化学ろ材は2ヶ月後に取り出すことになるのですが、これが外部フィルターの場合は手間になるので無理にフィルター内に設置せず、水槽内の水流が当たる場所に引っ掛けておいても構いません。
フィルター内に化学ろ材を設置しない分を生物ろ材で埋めておくのもひとつの手です。
このように吸水・排水パイプなど、水槽内の流れの強い場所に引っ掛けておくだけで効果は十分出ます。ここでは引っ掛けるためにビニタイを使用しています。
本来、立ち上げ初期、立ち上げ後、で最適なフィルター構成は変わります。
立ち上げ初期は「ゴミが多く」「生物ろ過ができあがっておらず」「流木などからアクがでる」状態ですので、物理ろ材を少し多め、かつ化学ろ材も入れる、というのが基本的には正しいかもしれません。
ただ、僕は面倒なのでそれはやっておらず、フィルター内は設置初期からずっと同じ構成でやっています。それをやらなくても水槽の立ち上げは問題なくできますが、拘る人は時期によってフィルター構成を変えるのもありかもしれません。
水草水槽に最も向いていると言われるのがこの外部式フィルターです。濾過槽が大きいため濾過能力も高く、水が空気と触れない構造のため、CO2が逃げにくいという特徴があります。
これは生物ろ材に「リング状」を使用するか「ボール状」を使用するかでおすすめの構成は変わります。
パワーハウスのようなリング状ろ材を使用するときにおすすめな構成です。
リング状ろ材は通水性が高いため、ある程度大きなゴミでも目詰りしずらいというメリットが有ります。そのため、生物ろ材前の物理ろ材の容量をそこまで必要とせず、ここでは「粗めフィルターパッド」のようなスポンジフィルターをひとつ設置するだけとしています。その後、リング状ろ材を設置し、最後に一番細かい網目のフィルターを設置するという順序となります。
水槽セット初期のような「白濁」や「アク」が出ている時期には「化学ろ材」をフィルター内に設置するのも手ですが、製品の寿命を迎える2ヶ月後には取り出す必要が有るため、化学ろ材をいちいちフィルター内に設置せず、水槽の排水・吸水パイプ付近に設置しておくほうが便利かと思います。その場合は、水槽立ち上げ当初から右図の設置方法で構いません。
左図は活性炭を2ヶ月後に取り出す必要がありますが、右図の設置例であれば水槽立ち上げ期から長期運用時まで、水槽がどのような時期であっても使用できる汎用性の高い構成と言えます。
運営側はこの構成でやっているメンバーがほとんどです。
こちらはフィルターメーカーのエーハイム社がおすすめする構成です。
エーハイムサブストラットプロのような「ボール状」ろ材を使用する際におすすめな構成です。
ボール状ろ材は通水性が低く、目詰まりを起こしやすい形状ですので、ボール状ろ材を通過する前に、ゴミを丁寧に取り除いておく必要があります。
そのため、物理ろ材の容量は「リング状」よりも多めに設置し、ゴミを事前に取り除くような構成がおすすめです。
一番最初に設置しているエーハイムメックはリング状タイプの形状ですが、ここでは物理ろ材、生物ろ材兼用として使用しています。リング状ろ材は通水性が高いため、最初の方に持ってくることも可能です。エーハイムメックがない場合は、エーハイムメックの代わりに粗めフィルターパッドを2枚設置する方法でもいいかと思います。
リング状ろ材同様、化学ろ材はフィルターの外に設置する右図の設置例でも構いません。
上部式フィルターは水槽の上部に設置するタイプのフィルタータイプで物理濾過能力が強く、酸素の供給に優れたフィルターです。主に生体メインの水槽で使用されますが、CO2を逃がしやすい構造のため、水草水槽にはあまり向いていません。
上部式フィルターは外部フィルターのように濾過槽がひとつとなっておらず、商品によって、物理濾過槽、生物濾過槽など、2つから3つに濾過槽が区切られていることが多いです。
ただ、基本的な考え方は同じです。目詰りを起こさない順番にして、通水性を確保する構成にすればOKです。
2つに区切られている場合、第一濾過槽には「物理ろ材と生物ろ材」、第二濾過槽には「生物ろ材」という順番となります。
また、3つに区切られている場合、第一濾過槽には「生物物理兼用ろ材(リング状)」、第二濾過槽には「物理ろ材と生物ろ材」、第三濾過槽には「生物ろ材(ボール状orリング状)」というのが基本的な順番です。
生物ろ材は外部フィルターで使用するものと同じもので構いません。
また、物理ろ材は製品純正の商品がある場合はそれを購入しておけばOKです。ただ、物理ろ材は純正品でなくても、切って使用するなどしても問題ありません。
外掛け式フィルターは小型水槽向けのフィルターとなります。外部式フィルターを設置するスペースがない場合に使用する、外部式フィルターの下位互換商品と言ってもいいかと思います。
基本的な考え方は他のフィルターと同様に、物理(粗)→生物→物理(細)→化学ろ材という順番で考えてください。
ただ、外掛けフィルターは製品によって取り付けられるろ材が異なりますので、基本的には製品純正のフィルターパックというものを取り付ければOKです。
これには「物理ろ材」「生物ろ材」がひとつになったフィルターパックや、物理ろ材、生物ろ材別々のフィルターパックがあります。
また、外掛けフィルターをカスタマイズする人もいますが、外掛けフィルターはもともと流量が弱く、ろ材を多く詰め込んでしまうと簡単に目詰りをおこしてしまい、生物ろ過が機能しなくなるという本末転倒な結果に終わりますのでカスタマイズする際にはあまりろ材を詰め込み過ぎないように注意してください。
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