蛍光灯は水草を育てるアクアリウム水槽では最もよく使われる種類の照明タイプです。
ここでは今から蛍光灯を選ぶ方、蛍光灯の比較をしたい方に向けて、蛍光灯本体の選び方から、その中に取り付ける蛍光管の選び方など、蛍光灯に関しての情報をまとめています。
そもそもアクアリウムの照明ってどんなのがあるの><
って方は以下の記事にまとめていますのでそちらから御覧ください。
ではアクアリウム水槽で最も実績のある「蛍光灯照明」について詳しく見ていこうと思います!
この記事の目次
照明にはケルビンやルクス、波長など色々と複雑でとてもむずかしい話がつきまといます。
蛍光灯を詳しく解説するにあたり、知っておいていただいたほうがより一層わかると思うので、先にそれを記載しておきます。
詳しくは調べていただければ秀逸な記事がいっぱい出てきますのでそちらを参考にしてください。
ここではかなり荒っぽく簡単にまとめちゃいます!
項目 | 単位 | 説明 |
---|---|---|
色温度 | ケルビン(K) | 光の色のことです。この数値は水草育成に向く向かない、という基準になるものではなく、水槽自体の透明度の印象を左右する数値です。また、「明るさ(光量)」とも別物ですので注意してください。アクアリウムでは7000ケルビン以上のものが人気で、7000ケルビンのものであれば透明度はグッと上がります。7000ケルビン以下だと、すこし黄みがかって見えてしまい、あまり見栄えがよくありません。 |
波長 | ナノメーター(nm) | 電磁波の波の長さの単位です。といってもわかりませんよね。具体的に言うと、水草は赤色(600nm~700nm)と青色(350nm~450nm)の波長をメインに使って光合成を行います。蛍光灯、メタハラではこの波長をカバーしやすいですが、LEDは赤色を出しにくい傾向が強いです。 参考:水草育成の照明 |
光量 | ルーメン | 光の量を表します。数値が大きくなればなるほど明るい、ということです。 |
照度 | ルクス(lx) | 光があたっている場所の光の量のことです。この数値が高ければ高いほど、明るくなります。水草育成に向く波長が不足しているLEDでも水草が育っていることを見ると、この数値が高ければ水草を育てることは可能なんだと理解してます。 |
さて、やっと本題です。
アクアリウムで使用される水槽用の照明・ライトにはおおまかに以下の3種類あります。
今回は蛍光灯について詳しく見ていきます!
アクアリウムに使われた歴史が最も長く、水草育成実績も豊富です。
むしろ流通している水草で、蛍光灯では育たない、というものは存在しないはずです。
コストパフォーマンスにも優れ、商品数も圧倒的に多いです。
また、蛍光灯の光の波長はLEDに比べ、「赤色」の波長をカバーした商品が多いため、水草育成に向いている商品が多いと言われています。
また、蛍光灯本体は中の「蛍光管」を変えることで光量と色を変えられます。
そのため、蛍光灯本体が多少お安めのものでも、蛍光管を取り替えればある程度の光量の増加が見込めるということです。
蛍光灯の中でも3種類あります。
アクアリウムでは一般的な蛍光灯照明です。特に記載がない商品の場合はこちらです。
難易度が極端に高くない限り、水草育成はこちらでも十分可能です。
対応蛍光管:FLと表記されているもの
同じ電力消費でもより明るく出力できる方式です。
最も水草育成に向くといわれているのですが、なにせ本体価格が高いです。
対応蛍光管:FHFと表記されているもの
あまり水槽用照明では最近みかけないですが、昔はこの方式も使用されていました。
対応蛍光管:FLRと表記されているもの
あまり光量を求めない水草であれば蛍光灯2本でも可能ですが、それでは光量が不足する水草もありますので、3本以上は水槽に設置してください。
何よりも、長年アクアリウムで使用されてきた、という実績は重要です。光量の確保さえできれば、波長はLEDよりも太陽光に近いため、水草の育成は行い易いといえそうです。また、流通量が多いため、そこそこの水草育成実績のある蛍光灯本体を比較的安価に入手可能です。
やはりデメリットは蛍光灯交換のランニングコストでしょうか。
他の照明は年単位で持ちますが、蛍光灯の場合どうしても徐々に明るさが落ちていってしまいます。その場合、蛍光管の取替えが必要となります。蛍光管は電気屋さんで販売されているものでも代用は可能です。
最も多くのアクアリストに親しまれているタイプの照明になるため、水草育成実績はぶっちぎりでトップです。そのため、製品によりますが、水草育成も一般的なものから高難易度のものまで幅広く対応できます。
低価格ラインナップのものでも、極端に能力は落ちません。中の蛍光管を取り替えることで見た目の透明度も向上させることができますので、安く水草を育てたいなら蛍光灯を選んでおけばいいと思います。
各照明の明るさを計測器を使ってデータで出した秀逸な記事がありましたのでこちらをご確認ください。
照明の比較テスト
テクニカのインバータライトが圧倒してます。
高いですが、ちゃんとそれだけのパフォーマンスを出しているということですね。
水槽上部に設置するものがほとんどですので、水槽の横幅に対応した商品しか設置ができません。
上記のようにメジャーな規格なら流通しているため、多くの商品から選択可能です。
蛍光灯照明といったら水槽上部に設置するタイプのものが一般的です。
ほとんどがこちらのタイプです。
ヴォルテスのように、水槽の上部にクリップで止めるタイプもあります。
本体の蛍光管を取り付けてある箇所に、光を反射させる板が付いている商品があります。
蛍光管は360度に光を飛ばすため、この反射板がついていないと上方向(本体方向)の光はほぼ無意味になってしまいます。
その光を反射板によって反射させることで、少しでも水槽面に当たる光量を増加させる工夫がされた商品があります。
インバーター式かスターター式、ラビットスタート式のどれらかから選びます。
インバーター式のほうが同じ消費電力でも明るいですが、本体価格が高いです。
ただ、スターター式で水草育成ができないかというと、市販されているほとんどの水草は育成可能です。
※蛍光灯設置本数4本の場合。
ラピッドスタート式はあまり使用されていないようです。
色温度(ケルビン)といわれる、光の色は初期出荷状態で付いている蛍光管で左右されます。
7000K以降であれば水の見た目の透明度はあがり、数値が上がるほど青みが強くなります。13000K以上を超えると青みが強くなりすぎてしまうのでそれ以内の商品がほとんどです。海水なら18000K以上のものもありますが水草水槽では使われません。
各蛍光灯には対応する蛍光管のワット数が設定されており、どの蛍光灯にもかならず記載されています。
この対応ワット数が、設置できる蛍光管の種類になります。
テクニカインバーターライトのように角ばったものから、アクシーニューツインのように丸い形のものまで様々です。
蛍光管を収めるだけの大きさは確保する必要があるため、本体の大きさはLED照明に比べ大型な傾向が強いです。
ただ、それでも出来る限り小さくしたものから、あえて大きくして放熱性を高めた商品まで様々あります。
蛍光管がどうしても熱を持ちやすいため、蛍光灯本体も熱くなります。
その熱を逃がす仕組みを備えた、放熱性の高い蛍光灯本体などがあります。
大体1.5〜2キログラム程度のものが多いです。
水槽掃除の際に照明を動かしたりしますので軽いほうがいいですが、アクアリウム用の照明であれば、ちゃんと水槽上部に設置できる重さにしていますので、そこまで重要な指標とはなりません。
さて、ここがLED照明との大きな違いです。
LED照明はLEDを取り替える、ということはできず、最初から本体に取り付けられているものを壊れるまで使い続けるしかありませんが、蛍光灯は中に付いている蛍光管を自由に取り替えることが可能です。
蛍光管を取り替えるだけでも水草の育成、水槽の印象が大幅に変わってきますので、もし今の蛍光灯に不満があるようなら本体を買い換えるより先に「蛍光管の買い替え」を検討してください。
アクアリウム用を謳っている商品はケルビン数が高い商品が多かったりしますが、電気屋で同じケルビン数の商品を購入して蛍光灯にセットすれば問題なく使用可能です。
アクアリウム用には家庭用にはない特殊な光が出ていて水草が育ちやすい、とかはないです。
家庭用のもののほうが、圧倒的に安く購入可能です。
ただ、8000K超えの高いケルビン数を求めるなら、一般家庭にはあまり需要がありませんので電気屋に置いていないことがあります。
そのため、結局は「アクアリウム用」シリーズから選ぶことになると思います。
色温度であるケルビンの値か光量(光の強さ)で選ぶ傾向が強いです。
ただ、光の強さを表すルクスやルーメンの数値は記載していない場合もありますので、水槽の透明度を左右する数値である「ケルビン数」を参考に選んでいく方法でいいのではないかなと思います。
ちなみに、一般的にケルビン数の高い商品は値段も高くなります。
水が濁る原因と透明度を上げるための方法のまとめ記事は以下となります。
水槽の透明度を上げるための方法
光量を表すルーメンの数値で判断します。数値が大きければ大きいほど明るい商品です。
ただし、これが記載していない商品も多いです。
水槽の水の透明度など、見た目に大きく影響してきます。個人的には「光の強さ」で蛍光灯を選んだことはなく「ケルビン数」で選んでいます。
おすすめは6500ケルビン以上のものです。6500ケルビンを超えると、青みがかった白っぽい光になり、水槽の透明度がぐっと引き上がります。
アクアリウム用の商品であればケルビン数が明記されているはずですのでそれを参考に6500ケルビン〜13000ケルビン程度のものを選んでください。
(ケルビン数が不明、分からない商品は購入しないほうがいいかと思います。)
ケルビン数は高いほど水が澄んで透明に見えますが、ここは好みの問題です。
水草の発色を重視するなら7000ケルビン程度でもいいのではと思います。
ケルビン数が高いものや光量が大きい物ほど価格も高いです。
蛍光灯4本となると、値段もかける4になるので、意外と高くなったりします。
ここではオススメな蛍光灯、アクアリウムでよく使われる人気蛍光灯を色温度(ケルビン)で一覧表にしてみます!
ケルビン数 | 目安 |
---|---|
不明 | NEC ホタルックα 直管 FRESH色 |
2000 | ※朝日・夕日レベル |
5000 | ※日中の太陽光レベル |
5200 | パルックプレミア蛍光灯 直管・スタータ形 20形(2本入) ナチュラル色 |
6700K | パンタナルホワイト 20W 水槽用照明・ライト(蛍光灯) |
7000K | ADAアクアスカイ(LED) |
7200K | パルック蛍光灯 直管・スタータ形 20形(2本入) クール色 東芝 メロウZ PRIDE(プライド) 直管スタータ形 20形 クリアデイライト(3波長形昼光色タイプ) 2本入 |
10000K | テクニカ LEDライト60 クリアー 60cm(LED) |
13000K | テクニカ レフクリアーランプ 20W型18W(蛍光灯) |
※各規格あるのですが、ここでは60cm製品を掲載していきます。
蛍光灯照明で最も信頼の高い商品です。多くのアクアリストたちが使用しています。
インバーター式の蛍光灯で、チャームの照明の比較テストでも最高の数値をたたき出した蛍光灯です。
高性能のインバーター回路をランプ1本に対し1枚使用、従来のインバータータイプの蛍光灯と比べて2倍(メーカー公称)の明るさを実現したハイエンド蛍光灯です。
こちらも蛍光灯照明では有名ドコロです。ネットの評判を見ても多くの高評価を見つけられます。
テクニカは角ばった形状ですが、アクシーは丸い形状となっていて、これは蛍光灯本体の形にしても珍しいタイプになります。
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